2010年8月26日木曜日
狭き門、貧しくとも入れますか?
狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は広く、之より入る者多し。
そうはいっても狭すぎます!
法律家になるための門の話です。
私が司法試験に合格したのは1983(昭和58)年秋。翌春から2年間、司法修習をしました。裁判所、検察庁、法律事務所、司法研修所などで法律実務を、給費で学ばせていてだきました。おかげさまで、こんにちまで25年間、弁護士活動をすることができています。
そのころ、合格率は2%弱、合格者の平均は28歳くらいでした。大学を卒業して6年以上浪人することになるわけです。平均ですから、もっと長い人も少なくありません。
ほとんどの受験生は、家庭教師や夜警のバイトをしながら苦学していました。苦学されていた人ほど、心優しい法律家になっているような気がします。
現在ではさらに法科大学院(ロースクール)で2~3年学ぶ必要があります。私はサラリーマン家庭に育ちましたがロースクールに通うだけの経済的ゆとりはなく、現行制度のもとでは法律家になれなかったと思います。
ところが、本年11月から司法修習生に対する給費支給が打ち切られようとしています。経済的にめぐまれない環境にある者にとって、法律家を志すことは絶望的に困難になってしまいます。
「貧乏人は麦を食え」
池田勇人首相が蔵相時代に述べた暴言として有名ですが、これに倣えば、
「貧乏人は法律家になるな!」ということでしょうか?
精神世界ならぬ現実世界において、法律家になるためのあまりに狭き門は「滅にいたる門」のように思います。
やま
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