シルクロードのうち中国領内の部分が2014年「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」として世界遺産に認定された。西からいうと順に、新疆地域→敦煌→蘭州→西安→洛陽の各都市、各地域を結ぶ。
シルクロードは新疆地域からさらに西に延び、中央アジア、ペルシア、中東、トルコを経てローマに及ぶ。先の第一号ののち、第二号としてタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンの関連遺跡など計34件が「シルクロード:ザラフシャン=カラクム回廊」の名で世界遺産に認定されている。それでもまだ全長6,400キロメートルの一部だ。
シルクロード上をいろいろな文物が東へ西へ行き来した。シルクロードというぐらいだから東から西へ絹が運ばれたことは間違いない。
東から西へは陶磁器も運ばれた。唐代の陶器は唐三彩だ。鉛釉を施した陶器で、主に副葬用に制作された(副葬品として墳墓から出土している。)。クリーム色・緑・白など三色を組み合わせていることから唐三彩と呼ばれる。
唐三彩は、物そのものだけでなく、技術も日本にも伝来している。あるいは、日本でその技術を真似ようとした。奈良三彩として有名。九州国立博物館にも所蔵されている。
「光る君へ」の放送にあわせてか、越前市で越前国府の発掘に取り組んでいるニュースが放送されていた。越前は紫式部の父である藤原為時(岸谷五朗)が県知事として赴任したところ。式部も同行したとされる。
https://artexhibition.jp/topics/news/20240205-AEJ1848029/
その際、発掘のボランティアが語っていたのだが、緑釉のかかった陶片を発掘するとお宝発見なのだそう。当時一般的には須恵器、土師器の時代であるから、緑釉陶器は国府など重要施設だけで使用されていたから。当時は宝石ほどの価値があったことだろう。
シルクロードで発見される唐三彩は、場所柄からラクダ。日本の動物園にいるラクダくんたちとはちよっと違う。頼れる存在だったのだろう、力強い表現になっている。
そして唐美人。ふくよかな顔と優雅な立ち姿。鮮やかな釉に輝くショールは、三越のショーウインドウに輝く高級ブランドをもしのぐ魅力を放っている。
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