3月の第1日曜日には、太宰府天満宮で曲水の宴が催行される。われわれ太宰府ロータリークラブはこれに留学生を招く会を毎年おこなっている。国際理解と国際親善の促進が目的。
午前中は少し雪か雨もよいだったが、天気は回復にむかった。初春の令月にして気淑く風和らぎ・・・。梅花は見ごろは過ぎていたが、まだまだ咲いていた。
ロータリークラブには3種の留学生制度がある。そのうち、高校生の交換留学生とホストファミリー、米山奨学生とカウンセラーをお招きした。ノルウェー、フィンランド、韓国、ドイツなど9か国からの学生ほか40名の参加である。
曲水の宴は、文字通り、くねくねと曲がった水路沿いに出席者が並んで座り、水路を流れてくる杯が自分のまえを通りすぎるまでに和歌を詠む行事である。
水に流すという言葉があるが、古来、水辺で禊(みそぎ)をしていた。世界遺産である大峰山に登ったときも、前日、滝ごりや護摩焚きで斎戒沐浴した。曲水の宴は、古代中国でこうした禊が発展したものだという。
東晋の時代、書の達人である王義之も蘭亭でおこなわれた曲水の宴に参加した。そして漢詩集の序文として有名な「蘭亭序」を書き残している。
日本では、日本書紀には古い記事があるようだが、確実なのは文武朝以降。奈良時代を経て平安時代にさかんにおこなわれた。天満宮でおこなわれているのは、平安時代のものの再現。女官が十二単を着、和歌を詠む。
留学生たちはNHK大河「光る君へ」をみているだろうか。みている人は、あああの時代かと理解しただろう。
平安絵巻であるから時間はのんびりと流れる。紅白歌合戦のように次から次へと歌が披露されるわけではない。朗詠もろうろうとおこなわれる。一つの和歌が終わって、つぎの和歌がはじまるまで間がある。
毎日分刻みのスケジュールに追われる留学生たちに日本文化がどこまで伝わったであろうか。少なくとも、よい気分転換になったことだろう。みな表情が和んでいる。
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