ことし、わが事務所に新進気鋭の岡田弁護士が参画した。これで8人の弁護士、うち3人が女性という構成(37.5%)になった。まだまだというご意見もあろうが、社会一般、弁護士会全体の女性参画割合に比しまずまずの達成だろうと思う。
いまいろんな研修を受けてもらっている。思えばむかしは荒っぽかった。新人弁護士の研修制度など存在しなかった。「事件に飛び込んで自分で覚えろ」という感じ。
時代状況もある。ある先輩など、初めての仕事が2,000人の人々に対して演説をすることだったらしい。
自分が入ったころ、唯ひとりの先輩弁護士である稲村弁護士は事務所にいなかった。長崎じん肺訴訟をはじめとする数々の困難訴訟に取り組み、全国各地を飛び回っていたからである。
当職がはじめて手がけた事件は、近所の工務店の社長さんから依頼を受けた動産執行事件だった。動産執行とは建築資材等の差押えだ。
ご多分にもれず稲村弁護士は事務所にいない。事件処理の方法ほか、費用をいくらにするのかなどまったく五里霧中であった。弁護士費用を告げたときには、声がふるえた気がした。
それに比し、いまは研修制度が手厚く存在する。まずもって弁護士会が新人弁護士に対して多くの講座を用意している。わが事務所としても、多数のメニューを用意している。
まずすべての事件について、先輩弁護士と共同受任する。そして相談の仕方、受任の仕方、職務の遂行の仕方について、個別具体的な事件を通じて学ぶことになっている。On the Job Training(OJT)だ。そして少しずつ自立・自律をはかることになる。
あわせて座学も用意している。7人の先輩弁護士からのマンツーマン教育だ。4人の若い弁護士からは、交通事故事件や離婚事件のノウハウの話がなされる。こうして秘伝の必殺技も伝授される(かもしれない)。
残る3人の先輩弁護士からなされるのは、もうすこし高尚な話だ(いや、そのはずだ)。当職に振られた話題は「大規模集団訴訟について」。このことはすなわち「弁護士の使命」について話すということだ。
つづく
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