妙法蓮華経巻第一@1900年敦煌莫高窟出土
妙法蓮華経方便品@1900年敦煌莫高窟出土
妙法蓮華経化城喩品@1900年敦煌莫高窟出土
今展でいちばん感動したのはこれら。1900年敦煌莫高窟で発見された妙法蓮華経(法華経)。
井上康の小説『敦煌』で主人公趙行徳が、映画「敦煌」で佐藤浩市が戦火の敦煌から命をかけて救い出した敦煌文献の一つである。
法華経は大乗仏教の教え。特別な修行を経た者だけでなく、誰もが平等に成仏できることが説かれている。
方便品は、仏が瞑想から覚めて、それまでの方便(たとえ話)ではなく真実を説く。
化城喩(けじょうゆ)は、化城のたとえ話。長く困難な道のりに、衆生はあきらめそうになる、リーダーはあの城で一休みしましょうといって衆生の気力を回復させるという話。
少女の菅原孝標女は夢をみ、僧侶から法華経第5巻を早く習うよう指導される(更級日記)。しかし、彼女はこれにしたがわない。第5巻には女人成仏を説く部分があるのに。
これら貴重な経典類は莫高窟内の洞窟に隠されていた。誰が、いつ、どのような理由でそのようなことをしたのか?
1900年に敦煌文献が発見されてから誰しもがその疑問をもった。小説『敦煌』は井上靖による、その鮮やかな回答だった。
さきにMIHO MUSEUMでみたように、「光る君」藤原道長も、吉野山金峯山寺に自筆写経を納経している。
きのうの「光る君へ」では、花山天皇を退位させる兼家の陰謀に加担していた。それを懺悔する気持ちもあっただろうか。
百名山の吾妻山連峰には一切経山という山がある。安部貞任が一切経を埋めたからという。経塚山という名の山は全国に数多い。
福岡と佐賀の県境にも、九千部山(くせんぶさん)がある。むかし若い僧が台風と病気に苦しむ村人を救うため、山頂で法華経を一万部読誦しようとした。が、あと千部というところで美しい女に誘惑されて果たせなかった・・・、それが名の由来という。
命をかけて永遠の真理を救出するのも人間なら、一時の誘惑に負けて挫折するのも人間である。
福岡と佐賀の県境にも、九千部山(くせんぶさん)がある。むかし若い僧が台風と病気に苦しむ村人を救うため、山頂で法華経を一万部読誦しようとした。が、あと千部というところで美しい女に誘惑されて果たせなかった・・・、それが名の由来という。
命をかけて永遠の真理を救出するのも人間なら、一時の誘惑に負けて挫折するのも人間である。
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