とある裁判(社会問題)に関し、政治家の先生方の力を借りに、国会にうかがいました。議員会館の中に入ったのは初めて。
普段は、福岡の田舎で、しがない弁護士業をしています。予防法務などもありますが、いわゆるマチ弁の業務のほとんどは、紛争の交渉。
契約自由の社会の中で、裁判は唯一、強制的に紛争を「解決」する手段。その代理人はほとんど弁護士です。そのため、いかに裁判になったときの的確な見通しのもと、交渉で紛争をより迅速かつ柔軟に「解決」するかが弁護士の腕の見せどころになります。
裁判で勝てない問題は、基本的には交渉でもどうにもなりません。弁護士も背伸びはできますが、空は飛べません。
また、何をもって「解決」と呼ぶか、という難しい問題もあります。そういう意味では、案外、日常の業務で取り扱っている一般的な問題も、判決によって終結はしていても「解決」はしていないのかもしれません。
今回、国会にうかがった問題は、色々な意味で、裁判によっては「解決」しえない問題です。なぜなら、ここでいう「解決」とは、①責任の所在の明確化、②法制度の整備、③社会的差別の是正、の三本柱。裁判では、どれだけ頑張っても①しか獲得できないからです。
だから、東京出張して院内集会。慣れない仕事に、それこそ「空を飛ぶ」ような気持ちでしたが、改めて代理人としてなすべきことを再確認した気がします。当事者の思いに寄り添いながら、必ず①を勝ち取り、②、③につなげる。早期の全面解決に向けて引き続き取り組んでいきます。
富永
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