2022年4月18日月曜日

傾山遠征(1)-原尻の滝


 先週末は、大分と宮﨑の県境にある祖母・傾山をめざした。怪鳥会の春山行事だ。みな仕事に忙しく、参加は怪鳥、Mさん、当職の3人、すこし寂しい。

木曜16時に仕事を切り上げて、大分で前泊。翌金曜6時39分、豊肥線の始発に乗り、小一時間ほど西へ向かう。豊肥線と聞くと、おならを思い浮かべてしまう。古いギャグだ。

緒方駅で降りる。緒方といえば、平家物語に登場する緒方三郎。緒方の荘の荘官で、豪族の姫と蛇神の子であるという(大和の三輪山伝説のパクリ?)。はじめ平家方であったが、源氏方に寝返り、平家を大宰府・九州から追い落とした。鎌倉殿の○○人目かである。

タクシーをチャーターし、まず、駅からほどなくのところにある原尻の滝を見学した。日本の滝百選の一つ。東洋のナイアガラと呼ばれていた。いまでは「東洋の」というのは小さい声でしか言わないらしい(ナイアガラの滝と呼ばれる似たような滝がいろいろあることが分かり、東洋一とは言えないことが判明したかららしい。タクシーの運ちゃんが寂しそうに話してくれた。)。

ふつう滝といえば山を削った谷にある。しかしここは平野の真ん中にあるのが特徴だ。なぜかというと阿蘇の大噴火、大火砕流によってできたからだ。写真で滝の向こう側が火砕流のあと、溶解凝灰岩だ。

阿蘇は4度、大噴火している。これは9万年前、4度目の噴火のときのものだ。そんなこと調べてどうすると思うかもしれない。それがわれわれの仕事に直結することもあるのだ。

愛媛県伊方町に四国電力伊方原発が存在する。阿蘇から130キロ東に離れている。しかし広島高裁は「約9万年前に発生した阿蘇カルデラの噴火で火砕流が原発敷地内に到達した可能性が小さいとは言えない」として、原発の運転差し止めを認めた(昨年、裁判長のお話をうかがう機会があった。)。

山口大の調査によると、この火砕流は山口市にも到達しているようだ。時間軸としても地理軸としてもスケールの大きな話である。

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