2012年8月31日金曜日

コケモモby.福岡県筑紫野市の弁護士



 コケモモ(苔桃)
 ツツジの仲間の常緑小低木。

 みてのとおり果実
 北海道のトムラウシ山で。

 たくさんの葉が地面にへばりつく姿が苔に
 この丸く赤い実を桃に見立てて,コケモモのはず。

 でも,モモというより
 リンゴみたい。

 花はみたことありますよね?
 ない人は今年6月5日の記事を参照してください。

 平地ではまだまだ残暑きびしいこのごろですが
 山地でははや秋の気配。

 実りをむかえています。
 物語によると,クマも食べるそうです。

 コケモモをめぐって
 クマと喧嘩はしたくないですね。
 

2012年8月30日木曜日

チングルマby.福岡県筑紫野市の弁護士



 チングルマ(珍車、稚児車)
 バラの仲間の落葉小低木,高山植物。

 草のようなのに
 木なんですねぇ。

 やはり厳しい環境に姿勢を低くしているうちに
 こうなったんでしょうね。

 だいたいどこの高山にいっても
 お花畑で出会うことができる花です。

 名前は変ですが,花は白で
 黄色い雌しべ・雄しべとの対比が可愛い。

 写真とちがう?そう写真は,花のあと。
 タンポポが花のあと綿帽子状になるようなものかな?

 まるで宇宙人のよう
 知らないと,あの花の実とは気づきません。

 これが子どもの風車にみえることから
 稚児車(チゴグルマ)→なまってチングルマ。
 
 小学生にいえば
 よろこびそうな名前です。

 花言葉は,可憐。
 枯れても可憐。

                    弁護士  浦田秀徳
 

2012年8月29日水曜日

タカネバラby.福岡県筑紫野市の弁護士



 ちょっと山に行っていたので
 月,火とやすみました。すみません。

 山の報告は
 またおって。

 タカネバラ(高嶺薔薇)
 文字どおり,高嶺の花。

 白馬山を栂池のほうへくだると
 途中,乗鞍岳があります。

 (同行者も勘違いしていましたが
 あの百名山の乗鞍とはちがいます。)

 そのちょっと先に
 咲いていました。

               弁護士 浦田秀徳
 

2012年8月24日金曜日

コマクサby.福岡県筑紫野市の弁護士



 コマクサ(駒草)
 「高山植物の女王」。

 花が馬(駒)の顔に似ているので
 この名は納得。

 コマドリ(駒鳥),駒ヶ岳など
 むかしの人にとって馬は身近な動物だったようで

 駒のつく名前は
 おおくあります。

 ですが,コマドリの鳴き声が馬のそれに似ている
 といわれると,さて?と思います。

 日本全国に駒ヶ岳もたくさんあります
 でも,山容が馬に似ているといわれると,さて?

 そんななか
 コマクサはたしかに似ています。

 白馬岳から小蓮華岳にかけて東側斜面に
 群落を形成していました。

 火山性の岩がごろごろで,養分に乏しく保水もわるく
 冬は大雪,強風,夏は厳しい日光…。

 そんな他の植物がとても生育できない厳しい環境のなか
 けなげに美しい花を咲かせています。

 さすがに「高山植物の女王」
 みごとです。
 
 花言葉もずばり
 高嶺の花,誇り,気高い心。

                  弁護士 浦田秀徳
 

2012年8月23日木曜日

キンミズヒキby.福岡県筑紫野市の弁護士



 キンミズヒキ(金水引)
 バラの仲間の多年草。

 やはり昭和の森から
 河原谷に向かう山道に咲いていました。

 名前の由来は,金(黄)色で
 水引のようだから。

 ご承知のとおり,水引は
 贈答品や金一封に飾る紐。

 そこからきたのか
 花言葉は,感謝の気持ち。

 べつに赤いゴマをちらしたような
 ミズヒキという花もあります。

 あちらは蓼の仲間なので
 おなじミズヒキでも種類がちがいます。

 こちらは実がなると
 くっつき虫になります。

 感謝の気持ちがくっついてくるだから
 縁起がいいですね。

                    弁護士 浦田秀徳
 

2012年8月22日水曜日

氷壁の宿by.福岡県筑紫野市の弁護士



 今夏,上高地から梓川を遡上し
 槍ヶ岳に登りました。

 その写真をフェイスブックにアップしたら
 Nさんから,氷壁の宿でヤマメでも…というコメントが。

 氷壁の宿とは徳沢園の山小屋のこと
 上高地から8Kmほど奥にあります。

 ここが氷壁の宿と呼ばれるのは
 井上靖の小説『氷壁』の舞台のひとつになったことから。

 主人公の魚津恭太と親友の小坂乙彦はここから
 前穂高岳の西側の氷壁にいどみ遭難。

 事故の原因をめぐって
 魚津は運命にほんろうされていきます。 

 学生時代に読んだほか
 映画もみた覚えがあります。

 こんかい,Nさんのコメントをきっかけに
 小説を再読してみました。

 じっさいに穂高にのぼり親しい友人の死を経験したいまでは
 小説の印象がずいぶんちがいました。

 『天平の甍』や『敦厚』などの乾いた文体とも
 ちがっていました。

 読了後,末尾にある
 福田宏年の『人と作品』を読んでいたら

 井上靖が毎日新聞大阪本社に入社したことが
 記してありました。

 そういえば,山崎豊子さんはここで
 井上と机を同じくしたのだったような。

 人の運命は
 わかりませんねぇ。

                   弁護士 浦田秀徳
 

2012年8月21日火曜日

ヤマジノホトトギスby.福岡県筑紫野市の弁護士



 宇美町の昭和の森から宝満山をのぼっていくと
 河原谷と出会います。

 河原谷をつめると
 冬期に氷結することで有名な難所が滝があります。

 宝満山にのぼるばあい,この谷をつめないで
 その向こうの尾根にとりついて登っていきます。

 すると,その坂の途中に
 ヤマジノホトトギス(山路杜鵑草)が咲いていました。

 (ヤマホトトギスというのもあり,ややこしいけど
 花のつきかたから,これはヤマジかと)

 さらに登っていくと,仏頂山への分岐を経て
 宝満山頂へ至る岩場に出ます。

 岩場のクサリをつかってのぼるのが
 一般です。

 ですが,ここを登らないで,右にまくと
 羅漢道へいく分岐があります。

 そこらへんにも
 ヤマジノホトトギスが咲いていました。

 だいたい日当りのよわい
 斜面に咲いているようです。

 ユリの仲間の多年草
 独特の花を咲かせています。

 サーカスのピエロのような
 花火のような…。

 あるいは,斑点模様が鳥のホトトギスの
 胸模様のよう。そこからホトトギスの名に。

 学名はTricyrtis affinis Makinoなので
 牧野富太郎博士が新種として発見されたのでしょう。

                     弁護士 浦田秀徳
 

2012年8月20日月曜日

クサギby.福岡県筑紫野市の弁護士



 いまの時期,宝満山には
 登りたくありません。

 暑いし
 カやアブが多いので。

 でも登っている人も
 おおぜいいます。

 ただただ運動という方もいますが
 半分くらいは大きな山の体力づくり。

 われわれも9月に奈良の大峰山に登る予定があり
 その準備運動のつもりで夏の宝満登山を計画しました。

 ところが,大峰登山がとある事情で中止になり
 なぜか宝満登山だけが残ったのでした。

 もうさいしょから汗だくで
 秋冬春の2倍は疲れます。

 山道をいくと
 ヤブのなかに白いものがちらほら。

 なにかな?と思ってちかよると
 クサギ(臭木)の花でした。

 葉をさわると臭いので
 この名を頂戴しています。

 こんな花を咲かせるのだから
 もう少しエレガントな名前がありそうなもの。

 ま,ヘクソカズラより
 ましですが。

 シソの仲間の落葉小高木。
 シソの仲間というのはちょっと意外ですね。

 まえはクマツヅラの仲間とされていたようで
 そのほうが植生からすると,ありそう。

 でもおそらく遺伝子的には
 シソに近いのでしょう。
 
 それにしてもこの花
 宇宙人の襲来のような,誘っているような…。

 いかにも蝶や蛾を誘って
 受粉をしてるって感じですね。

 花もどくとくですが
 実がなると,やはり宇宙っぽいです。 

 花言葉は
 運命,治療。

                    弁護士 浦田秀徳
 

2012年8月17日金曜日

高校同窓会by.福岡県筑紫野市の弁護士



 お盆のあいだに
 高校の同窓会がありました。

 人はなぜ同窓会にいくのか?
 そこに同窓会があるからだ!

 というのは
 ちょっとちがいますね。

 ぼくのばあい
 懐かしい自分に出会うために行くという感じでしょうか?

 E・H・カーのひそみにならえば
 「同窓会とは,現在の自分と過去の自分との対話だ」みたいな。

 こんかいも
 いろいろ面白い出会いと対話がありました。

 同級生のはなしによると
 こんなことがあったというのです。

 1年の学園祭に『杜子春』の劇をやることになっていたのに
 みんながこれに協力しなかった。

 そのため,学級委員長がおこって
 学園祭出場を棄権してしまった(その代わり,ハイキングに行った)。

 これは当時,そうとう大きな出来事だったはずですが
 ぼくはすっかり覚えていませんでした。

 こんな大きな出来事をわすれてしまっていたことに
 つよいショックをおぼえました。

 また自分というもののなりたちの不思議さに
 驚かされました。
 
 人はいろいろな経験をもとめて
 映画をみたり,旅行にでかけたりします。

 でも同窓会にまさる経験は
 他ではちょっと得られないのではないでしょうか。

                      弁護士 浦田秀徳
 

2012年8月16日木曜日

ミヤマトリカブトby.福岡県筑紫野市の弁護士



 ミヤマトリカブト(深山鳥兜)
 キンポウゲの仲間の多年草。高山植物。

 槍沢ロッジに至る手前の
 沢沿いに咲いていました。

 和名は,花のかたちが烏帽子に似ているから。
 英名のmonkshoodは,僧侶のフードに似ているから。

 たいへんきれいな花ですが
 トゲならぬ毒があります。

 かつてトリカブト毒を利用した
 保険金殺人事件がありました。

 四谷怪談で,お岩さんがやられた毒も
 トリカブトだとか。

 トリカブトの毒のことをブスといい
 それが女性の○○の由来になっているという説も。

 ヨーロッパでは、ギリシャ神話のヘカテーが
 魔術の女神としてあがめられ,トリカブトがその象徴だそう。

 かくて花言葉は,美しい輝き,騎士道,栄光という系と
 厭世家,人嫌い,復讐という系とあります。

                     弁護士 浦田秀徳
 

2012年8月10日金曜日

ハクサンイチゲby.福岡県筑紫野市の弁護士



 ハクサンイチゲ(白山一花、白山一華)
 キンポウゲ,イチリンソウの仲間の多年草。

 槍ヶ岳の肩から西鎌尾根におりていく途中
 左側の斜面に咲いていました。

 といっても,高山のお花畑にはたいがい群生しており
 高山植物の代表選手です。

 学名は,Anemone narcissiflora
 スイセン(ナルキッソス)のようなアネモネ。
 
 アネモネの語源は
 ギリシア語の風。

 ギリシア神話では、美少年アドニスが流した血より
 この花が産まれたとか。 

 ナルキッソスはナルシストの語源
 他人を愛せない(自己愛な)ギリシア神話上の有名人。

 つまり,自己愛な風?
 よくわかりません。

 ハクサン・イチゲの命名者も
 やはりまず白山に登ったようで。

 イチゲ=イチリンソウ(一輪草)
 一茎に花を一輪咲かせることから。

 ハクサンイチゲはそうじゃないんですが
 どういうことでしょうねぇ?

 そういえば,市毛良枝(いちげよしえ)さん
 という女優さんがいますね。

 むかし「理想の花嫁ナンバー1」とか
 「お嫁さんにしたい女優ナンバー1」とか呼ばれていました。

 芸名としては,一花良枝とか
 一華良枝とかもありかも。

                  弁護士 浦田秀徳

2012年8月9日木曜日

ヨツバシオガマby.福岡県筑紫野市の弁護士



 ヨツバシオガマ(四葉塩釜)
 ゴマノハグサの仲間の多年草,高山植物。

 写真ではちょっとわかりにくいけど
 4つの葉が茎をとりかこんでいます。

 名前のうち
 ヨツバの由来です。

 シオガマは,いまの塩竃市に由来
 話せばながいことなれど…。

 みちのくの塩釜は 
 王朝時代,美しいところとして知られていたよう。

  みちのくの しのぶもぢずり たれゆえに
           乱れそめにし 我なら泣くに

 百人一首ちう,河原左大臣の歌ですが
 彼は本名,源融。

 『源氏物語』の主人公・光源氏の
 モデルといわれています。

 源融は,京都の自邸・六条河原院の庭(現,渉成園)を
 塩竈の風景を模して造ったとされます。

 ※ちなみに,ここから
  河原の左大臣。

 尼崎からわざわざ海水を運ばせて
 藻塩を焼く風雅を楽しんだとか。

 つまり,塩釜は浜の美しさで
 知られていたんですね。

 ところで,シオガマをみると,花はもちろん
 葉まで美しいですね。

 ん?葉まで美しい?
 は・ま・で・う・つ・く・し・い…。

 …浜で美しい。
 そうだ!

 この花をシオガマ(塩釜)と呼ぼう!
 というわけ。

 王朝の時代から日本人は
 親父ギャグが好きだったんですねぇ。

                     弁護士 浦田秀徳

2012年8月8日水曜日

シコタンソウby.福岡県筑紫野市の弁護士



 シコタンソウ(色丹草)
 ユキノシタの仲間の多年草。

 北アルプス槍ヶ岳の肩から山頂をめざす
 厳しい岩場にけなげに咲いていました。

 色丹は,あの北方4島の1つ
 色丹島のこと。

 この花の命名者は白山に登らないで
 色丹島へ行ったみたい。

 高山植物には,他にもウルップソウなど
 北方諸島の名を冠したものがあります。

 高山の気候とこれら北方諸島の自然環境が
 おなじことによるものでしょう。

 ではそのタネはどうしたのか?
 渡り鳥がはこんできたのか?

 この点は,氷河期に本州に分布していたものが
 高山帯で生き残ったと考えられています。

 地球大紀行ですね。
 何万年も高山帯で生きのびてきたわけです。

 そんなことにはわれ関せずというふうに
 花に,黄と赤の斑があるのが可愛委い。

 花言葉は
 愛らしい告白。

                        弁護士 浦田秀徳

2012年8月7日火曜日

タカネナデシコby.福岡県筑紫野市の弁護士



 タカネナデシコ(高嶺撫子)
 ナデシコの仲間の多年草。高山種。

 唐松岳や五竜岳に登る登山道として
 八方尾根があります。

 白馬岳から南をのぞむと
 まっすぐに太い尾根がくだっていきます。

 むしろスキー場としてのほうが
 有名でしょうか。

 登山道といっても,1900mくらいまで
 ゴンドラやリフトでのぼれます。

 それぞれの乗・下車駅の周辺やリフトの斜面には
 いまの時期,たくさんの花が咲き乱れています。

 そのなかで
 ひときわ可憐に咲いていました。

 花言葉は
 純愛。

                    弁護士 浦田秀徳

2012年8月6日月曜日

ショウジョウバカマby.福岡県筑紫野市の弁護士



 ショウジョウバカマ(猩々袴)
 ちょっと見には意外ですが,ユリの仲間の多年草。

 黒沢池の湿原のわきに
 咲いていました。

 ハカマは花のかたちが
 似ているから。

 ショウジョウはさいしょのころ
 少女と誤解していました。

 ほんとうはショウジョウ
 中国の伝説上の動物のこと。

 赤い顔をし,ヒトのようなサルのような
 酒を好むらしい。

 もともと赤い顔なのか
 酒を飲むから赤くなるのか?

 「猩々は能く言して禽獣を離れず」(礼記)
 猩々はまたオランウータンの漢名。

 つまりは,赤い顔をしたお猿さんのハカマという命名
 ま,そんな感じでしょうか。

 花言葉は,希望。

                    弁護士 浦田秀徳

2012年8月3日金曜日

ヤマオダマキby.福岡県筑紫野市の弁護士



 ヤマオダマキ(山苧環)
 キンポウゲの仲間の多年草。

 きのうの天狗の庭をさらに
 火打山にのぼった登山道ぞいに咲いていました。

 茎のさきっぽに,花を1個ずつ
 下向きにつけてています。

 花は2重構造になっていて
 黄色い花弁の外側を濃い紫の萼片が囲っています。

 萼片のかたちは独特で,宇宙ロケットか
 ガッチャマンの衣装のよう。

 苧環というのはのですね
 酔ってくどくどつまらないことを…(これは,くだを巻くか?)

 糸を巻く道具のことです。
 花の形がこの道具に似ていることから,この名があります。

 オダマキの花言葉は,断固として勝つ。
 オリンピックの季節にふさわしいでしょうか。

 なお,オダマキには愚か
 という花言葉もあるようです。

                       弁護士 浦田秀徳

2012年8月2日木曜日

ハクサンチドリby.福岡県筑紫野市の弁護士



 ハクサンチドリ(白山千鳥)
 ランの仲間の多年草。高山植物。

 火打山に向かう途中,高谷池のさきに
 天狗の庭という,いかにもな名の湿地があります。

 そこに咲いていました。
 美しい花は湿地を好むようですね。

 花のかたちは,いわゆる唇形で
 先端が3つに分かれています。

 まるでチドリが飛ぶさまのようなので
 ハクサン・チドリ。

 マイヅルソウやハクサンチドリ
 鳥の名にあやかる名前も優雅でいいです。

 ここでも命名者は
 白山にまず登ったようで。

 花言葉は,素晴らしい,陽気と
 間違い,誤解。

 どういう間違い?どういう誤解?
 気になります。

                     弁護士 浦田秀徳

2012年8月1日水曜日

オオバミゾホオヅキby.福岡県筑紫野市の弁護士



 オオバミゾホオズキ(大葉溝酸漿)
 ゴマノハグサの仲間の多年草で,高山植物。

 火打山に向かう途中,湿地帯である
 高谷池ちかくにたくさん咲いていました。

 ホオズキではなく
 実が似ているだけ。

 溝(ミゾ)というぐらいだから
 水辺にこのんで生えます。

 ラッパのような花のうちがわに
 ソバカスのような模様があり,かわいい。

            ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳