2012年8月22日水曜日

氷壁の宿by.福岡県筑紫野市の弁護士



 今夏,上高地から梓川を遡上し
 槍ヶ岳に登りました。

 その写真をフェイスブックにアップしたら
 Nさんから,氷壁の宿でヤマメでも…というコメントが。

 氷壁の宿とは徳沢園の山小屋のこと
 上高地から8Kmほど奥にあります。

 ここが氷壁の宿と呼ばれるのは
 井上靖の小説『氷壁』の舞台のひとつになったことから。

 主人公の魚津恭太と親友の小坂乙彦はここから
 前穂高岳の西側の氷壁にいどみ遭難。

 事故の原因をめぐって
 魚津は運命にほんろうされていきます。 

 学生時代に読んだほか
 映画もみた覚えがあります。

 こんかい,Nさんのコメントをきっかけに
 小説を再読してみました。

 じっさいに穂高にのぼり親しい友人の死を経験したいまでは
 小説の印象がずいぶんちがいました。

 『天平の甍』や『敦厚』などの乾いた文体とも
 ちがっていました。

 読了後,末尾にある
 福田宏年の『人と作品』を読んでいたら

 井上靖が毎日新聞大阪本社に入社したことが
 記してありました。

 そういえば,山崎豊子さんはここで
 井上と机を同じくしたのだったような。

 人の運命は
 わかりませんねぇ。

                   弁護士 浦田秀徳
 

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