2024年4月15日月曜日

南東北の雪山(2)鶴岡

 







 南東北の雪山、2日目は月山に登る予定だった。山形から高速バスに乗り、月山湖を目指した。日本海側に近づくにつれ雪が降りしきり、きょうは無理かなと思った。

しかもリサーチ不足で、道路が冬期閉鎖中だったため断念。月山スキー場のオープンが4月12日だったので、それ以降でないと入山できなかった。

しかたがないので、鶴岡観光に切り替えた。鶴岡は芭蕉が出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)を縦走したのち、下山した場所である。

出羽三山だけでなく、朝日連峰を東から西へ以東岳・大鳥池まで縦走すると、やはり下山するのはここである。

高速バスの到着は鶴岡駅横。市内は歩いて回れる距離感である。駅前の道を南下すると、山王日枝神社に着く。

芭蕉の句碑がある。

 珍らしや山をいで羽の初茄子び

おくのほそ道の旅で、出羽三山をおりた芭蕉は鶴岡藩士長山重行の世話になった。そして珍しいかたちの茄子をご馳走になった。そのお礼の句である。山をいで羽は、出羽山を出た(下りた)ということ。

鶴岡は米どころ・庄内平野の南の拠点。北の拠点は酒田である。芭蕉は鶴岡から酒田へは舟で向かった。大泉橋のたもとに、乗船した場所が名所として残されている(長山重行宅跡も近く)。

スズメたちが1本の木に集まって、かしましくしていた。寒い冬にたえ、庄内米のおこぼれにあずかれる秋をまっているのだろう。

大泉橋からは西に向かう。まもなく鶴ヶ岡城跡だ。城跡といっても城壁がすこしで、建物は残っていない。庄内神社があるのみ。

鶴岡といえば、藤沢周平の出身地。小説中にでてくる海坂藩は、鶴岡がモデルである。記念館がある。藤沢の小説家人生と信念がよく分かった。

あとはお堀を一周してバスセンターへ戻った。ときおり雪が舞う不安定な天気だった。冬の季節風の影響だ。これが山々に雪を降らせ、おいしい水となり、おいしい米、ひいてはおいしい酒となるのだ。

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