2024年4月5日金曜日

ちくし法律事務所の花見

 



 ことしも事務所で花見をした。花の見ごろとみなのスケジュールが最大公約数的にあうところでおこなう。17人のメンバー全員参加というわけにはいかない。

1986年の入所当時からやっている。アルコールを入れて、むかしながらの花見だった。4人だけだったから、強い結束を感じた。

それから約40年、もはや伝統行事だ。むかしは大宰府政庁跡まで行っていた。いつしか、事務所の裏山にある二日市公園が定位置となった。

この日は雨上がり。地面が濡れていた。やむなく事務所3階の会議室で寿司を食べ、そのあと花見にでかけた。

満開。何十本ものソメイヨシノが一斉に咲きそろっていた。ソメイヨシノは全部が一つのクローンであるから、咲きそろうのはあたりまえかもしれない。

花を堪能したあとは記念撮影タイム。いちばん大きな桜、満開の木の下で、まずは全員の集合写真を撮った。

その後、個人写真を撮ろうよと声掛けをした。しかしながら、個人で写ったのは4人、2人で写ったのが2人、3人で写ったのが3人、計9人だけとなった。あとは写ろうとしない。このバラバラ感。なんだかなぁと思った。雨に降られたこともあり、花吹雪が舞い、花びらが散り敷いていた。

家に帰ってから「不適切にもほどがある」最終回の録画をみた。みなさんご存じと思うが紹介。阿部サダヲ主演で、野球部顧問の教師。ときどきミュージカル仕立て。

阿部は1986年の世界に住んでいたが、2024年にタイムスリップする。かれは1986年当時における、男尊女子、LGBTに不寛容、多様性に不寛容(全員一律)、体育会系・体罰(暴力)容認などなど古い価値観を体現したままだから、2024年の世界ではその言動が「不適切にもほどがある」状態となる。

最終回、未来世界の価値観で教育された阿部はもとの世界に戻る。そして1986年当時の人たちの言動に強い違和感を覚える。そして歌う、テーマは「寛容」。

その後、デジタル技術の進歩により古代史が書き換えられつつある番組をみた。従来の通説は、古代大和王権が前方後円墳の設計図を地方の王たちに下賜し、これにより前方後円墳が全国に広がったというもの。

しかし、AIを駆使した調査の結果、じつは前方後円墳の形状にはバラつきがあることが分かった。同一設計図に基づくという説は見直しが迫られている。

研究者がうまい比喩で解説をしていた。従来の説は大和王権=野球部みたいなイメージ。しかし、新説でいけばよりゆるやかな統治。「好きなら来てもいいよ」みたいな。同好会的なノリではなかったのか、という。

そういえば、世界史でも言っていた。われわれに馴染みがあるのは中国の歴史。強権的な秦、隋は長続きせずに滅んだ。そのあとをうけた寛容な漢や唐は長続きした。

西洋の歴史と東洋の歴史は似ている。強権的なアッシリアは短命だった。そのあとをうけ、各民族、各宗教に寛容だったアケメネス朝ペルシアは長続きした。

いまふうのキーワードでいえばダイバーシティ&インクルージョンか。わが事務所ももはや野球部のノリではやっていけない。同好会的なノリでやっていくしかないのだ。クローンのソメイヨシノの集まりではないのだから。

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