2024年4月3日水曜日

くじゅう山黒岳山麓(男池湧水群~風穴)散策(3)


 
 この日は黄砂。太陽も霞んでいた。黄砂はシルクロードのあるタクラマカン砂漠やゴビ砂漠からはるばるの使者。現地の環境破壊により頻度・規模、われわれの被害も増大している。

 

 豪雨被害で森が荒れていたせいか、鹿の食害もあちらこちらでみられた。数百年の風雪に耐えた原生林がここにきて食害で枯れてしまわないか心配である。


 いつもはそれほどみられないバイケイソウがあちこちで繁茂していた。なぜか。毒草だからである。有毒アルカロイドを含有し、食べると嘔吐、下痢、手足のしびれ、めまいなどの症状があらわれ、死に至ることもある。鹿も敬遠する。
 
 バイケイソウの競争相手となる他の無毒植物を鹿が食べる。結果、バイケイソウだけが生き残り、繁茂することになる。


 ツルシキミ。これも毒草。やはりアルカロイドを含み有毒。鹿も敬遠し、繁茂していた。


 黒岳山麓は火山性土壌、薄い表土に風水害の影響もあり、倒木が多い。倒木はただ死ぬだけではなく、つぎの植物たちのゆりかごになる。まずはコケ。いろんな種類のコケが繁茂していた。


 この日は忙しいみなの予定を調整した結果。花の季節にはやや早い。それでも早咲きの花たちが迎えてくれた。岩や樹をコケの絨毯が覆うようになると、水や栄養分を保つことができるようになる。スミレである。


 サバノオ。実が鯖の尾の形になるので。九州にしか咲かない。


 ハルトラノオ。トラの尾のようだから。またの名をイロハソウ。由来について、牧野富太郎博士は、春のはじめに咲くのでイロハ47文字のはじめのイロハに比したものだろうとしている。


 ユキワリイチゲ。雪割一華。これも早春に咲く一輪草の意味。アネモネの仲間。アネモネはギリシャの風が語源。早春の風とともに咲く。これを目当てに山に分け入る人も多い。時間が早かったせいか、花が開いていない。

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