2023年2月9日木曜日

最近の防犯カメラ事情

 


 火曜、いつものイタリアンでランチをしていたら、店主がなんども住居侵入されて困っているという。

事情を訊くと、家の隣にフキが生えていて、そのフキをとるために、近所のおばあちゃんが家の敷地に侵入してくるのだとか。なんども。

なぜ、そんなことが分かるの?と訊く。答えは、お客さんに奨められて7,000円で防犯カメラを買ったところ、侵入者があるとその都度報せが来るのだとか。

ためしに現在のリアル映像を見せてもらったところ、とても鮮明な画像。宮台真司さんを襲った疑いのある人物の映像をテレビで見たが、あれより鮮明。

店主は警察に相談したらしい。すると警察官は可罰的違法性がないとあしらったらしい。ほう。その警察官、なかなかよく勉強している。

ある行為が刑法に形式的に触れるようにみえても、刑罰の制裁を加えるほどのことでない場合を可罰的違法性がないという。

住居侵入といっても、隣のフキを採るのが目的だし、おばあちゃんだし、ま、いいではないか。ということである。

われわれが刑事裁判で、可罰的違法性がないと主張しても一切受け付けない。でも自分たちが楽をするためなら言うという点が気になったが、当職の見解も同じである。

それより、そこはよく前を通るところであるが、逆にこれでこちらが監視されていることにもなる点が気になった。

春先になると、庭々にはコブシやウメの花が咲く。そこへメジロが飛んできたりもする。カメラを持っていれば、美しい花や鳥の写真を撮ったりする。もちろん宅地内に侵入することはないのであるが、軽犯罪法というのがあって、「のぞき」は犯罪とされている。

他人の庭の花や鳥を撮影しただけでは、「のぞき」とはいえない。少なくとも可罰的違法性はないはずだ。けれども、この場合も警察官と見解が一致するとはかぎらない。あらぬ疑いをかけられぬよう気をつけなければ。

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