12月31日朝である。さあどうしよう。予定では赤岳鉱泉から赤岳に登り、展望荘に宿泊して年を越し、新年初日の出を赤岳山頂で迎える計画であった。しかし、天気予報は登山に不適のC判定。稜線上では26メートルを超える強風が吹き荒れるらしい。
赤岳に登るには文三郎道コースと地蔵尾根コースがある。こんな強風の日は、吹きっさらしの文三郎道コースは論外だ。地蔵尾根コースは樹林帯が長い。問題は稜線に出る直前のナイフリッジと稜線上の移動だ。
いけそうな気もするが、万一ということもある。ツェルリーナではないけれども《行きたくもあり行きたくもなし》。遭難するリスクは5%程度だろうか。このようなとき、どうすべきだろうか。
あれこれと総合判断して、山を下りることにした。後ろ髪をひかれる思い。
当日、北アルプスの爺ヶ岳で大学生3人がテントを強風に吹き飛ばされ遭難したというニュースが流れていた。行かなくて正解か。大学生たちなら同情もかうが、いい年をした大人の行動としては顰蹙ものだろう。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20250101/1000112687.html
赤岳鉱泉から登山口である美濃戸口までは北沢をくだる。沢面では面白い氷をみることができた。
さて帰りの飛行機は明日の夕方である。2日間、時間ができてしまった。どうしよう。
よし1日目は、諏訪大社めぐりをしよう。九州の人間はあまり知らないだろうが、諏訪大社は4社ある。上社本宮、上社前宮、下社春宮、下社秋宮。諏訪湖の周りに点在している。丸1日時間があるので、せっかくだから全部参拝しよう。
どこから廻ろうか。グーグルで検索すると、誰もが悩む問題らしい。本宮とあるのでここが大本だろうと、まずは上社本宮へ向かった。
諏訪大社のお祭りといえば、御柱(おんばしら)祭が有名である。タクシーの運転手さんは祭の責任者をつとめたこともあるという。彼がいうには諏訪地方にはかって10万人の縄文人が暮らしていたという。ふんふん。
諏訪信仰はユダヤ教と同根である。祝詞など共通するところが多い。・・・えーっ。どこまで信じていいか分からない愉快な話がつづく。
上社本宮到着。境内は清浄なれど、正月準備でそわそわした感じだった。
つぎは上社前宮へ。運転手さんはタクシーを利用してほしそうだったが、歩く。歩いて10分ほどだ。前宮は4社のなかではもっとも地味だった。
登山スタイルの大学生の2人組に声をかけられた。聞けば彼らも悪天を懸念して山を降り、諏訪大社4社詣での途中らしい。考えることはみな同じだ。安全策を選択した者どうし、奇妙な連帯感がうまれた。
水眼の清流。前宮の左手にある。パワースポットである。
マンホールも縄文推し。八ヶ岳周辺は黒曜石が得られることで有名。ガラス質でナイフやヤジリの原料となる。遠い地方との交易品にもなったらしい。これでシカ・イノシシなども多数獲れることから、多数の縄文遺跡がある。
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