29日(日)朝7時30分、稲子湯温泉を出発。この日の天気は、山登りには向いていないC判定であった。特に昼過ぎから天気が崩れ、風速25メートル以上の強風が吹く予報である。それでも出発する。
八ヶ岳は北アルプスに比べれば、風雪がすくなく冬でも天候が安定している。日本海で大量の水分を吸収した大陸の寒気が北アルプスの山々に北西の季節風を吹き付け、大量の雪を降らせる。八ヶ岳では、北アルプスを越えてきた寒気や季節風の影響を受けるので、影響は2次的である。
特に、本日のコースは八ヶ岳の東側を登っていくことになるので、さらに北西の季節風の影響を受けにくい。そのためC判定ではあるが、本沢温泉までは行けると判断した。
日の出。東の空が暖色から寒色に変化していく。冬もあけぼの。やうやうしろくなりゆく、山ぎは少しあかりて・・・。
登り始めはカラマツの美林である。カラマツは落葉松と書く。針葉樹でありながら唯一落葉するから。針葉樹林でありながら、冬は樹林のなかも明るい。
サルオガセ。樹の枝等に付着して垂れ下がる糸状・薄衣状の地衣類である。麻裃(おがせ)は紡いだ麻糸を枠にかけて巻き取ったものをいう。
中国のサルが食べている映像をみたことがあるが、ニホンザルも食べるのだろうか。
カラマツはみられなくなり、シラビソ林。
ふう。ようやく本沢温泉に到着。天候が悪化するまえに到着することができた。きょうはここで宿泊だ。
地衣類は、菌類だが、シアノバクテリアなど藻類を共生させることで自活できるようになった。八ヶ岳はコケ類が豊富であるが、コケとは別ものである。
地衣類は、霧などから直接水分を吸収するため大気汚染に対して敏感。サルオガセがみられるということは、八ヶ岳の空気が清浄である証拠である。
写真左側はカラマツであるが、右側はシラビソである。シラビソはマツ科モミ属の常緑高木。亜高山帯に生える。
亜高山帯は山地帯と高山帯の間の植物や動物の垂直分布帯。標高1500~2500m。常緑針葉樹林帯で覆われている。
登りながら高度を上げ、いままさに山地帯から亜高山帯に入ろうというところである。
下山してきた登山者と離合する。離合は方言。標準語では行き違うだろうか。雪がどんどん深くなってきた。
きょうの中間点、しらびそ小屋。半分雪に埋まっている。ここに泊まると、森からリスが遊びにやってくることで有名。
リスは見当たらず。リスは冬眠するんだったかな。シジュウカラが5羽遊びにきていた。200カラだな。屋根にはつらら。
しらびそ小屋の裏はミドリ池。氷結している。池の真ん中にはお兄さんが絶景にひたっていた。晴れていれば樹林の向こうに天狗岳を望むことができる。
ふう。ようやく本沢温泉に到着。天候が悪化するまえに到着することができた。きょうはここで宿泊だ。
本沢温泉は日本最高所にある野湯で有名。ここからさらに10分登ったところにある。厳重装備をしていかないと、湯に向かう途中で遭難するおそれがある。
この日入るべく行ってみた。が、野湯は谷にあり強い寒風がふきすさんでいた。脱衣所はおろか寒風をふせぐ構造物は一切ない。脱衣さえ飛ばされそうだし、低体温症になりそうなので断念。
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