2024年12月9日月曜日

ある離婚・財産分与事件

 

 ある離婚・財産分与事件が解決した。・・と思ったら、再燃した。

 弁護士をしているとこういうことはよくある。紛争の解決というのはいずれも「当事者間には何らの債権債務が存在しないことを互いに確認する」とか「今後、いかなる名目であっても互いに請求をしない」という、いわゆる清算条項をともなっている。本件でもその旨の合意書をとりかわしている。

 しかし、紛争も生きものである。合意書という一片の紙切れだけでは紛争を封印できないこともある。

 本件はまず離婚請求をおこなった。これは同意が得られ、離婚届を役所に提出して解決した。

 つぎに財産分与請求である。財産分与請求とは、名義のいかんを問わず、夫婦が共同して形成・維持した財産を2分の1ずつ分割するものである。

 本件では妻が家を出ていた。家を出る際に、預貯金を持ち出しただろうと、夫はいうのである。夫が調停をするよう要求したので、こちら側から財産分与調停を申し立てた。これに夫は出頭しなかった。ために家庭裁判所の勧めで、調停を取り下げた。

 その後、夫側から審判の申立があった。ところが申立後、電話があり、双方やり取りなしで解決したいとのことであった。夫婦で購入したマンションが高く売れそうだというのである(住宅ローンなど負債も、夫婦で形成した財産に含まれる。)。

 この申出を受け、双方やり取りなしの示談書を作成し、夫に送付したところ、署名・捺印をしたものが返送されてきた。よし。一件落着だ。その旨裁判所にも連絡した。

 そう思ったものの、2か月ほどして裁判所から連絡があった。夫が先の審判申立を取り下げないので、期日をすすめますというのである。

 あれれ。どうなることやら・・・。

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