2024年12月27日金曜日

土佐日記(4)いの町紙の博物館、仁淀川

 

 高知には路面電車(とさでん)が東西十字に走っている。十字の中心は、はりまや橋である。宿がはりまや橋に近かったので、一日乗車券を買って重宝した。


 二日目最初に向かったのは土佐和紙で有名な、いの町紙の博物館である。はりまや橋から路面電車で西に向かい、伊野でおりる。

 今年は大河の影響で紫式部や源氏物語はもちろんのこととして、能、和歌、ひらがななど関連番組の放送が多かった。話題はその周辺にも及び、和紙を扱った番組も散見した。土佐和紙は平安時代からの伝統というわけではないが、とても面白かった。


 まずは紙漉き体験。和紙を漉いたあと乾くまで時間がかかるので。係員さんの案内にしたがい、館内見学より先に体験する。観光客向けに簡易にできるようになっている。


 紙漉き体験場の外にはコウゾ(楮)が植えられていた。もちろん和紙の原料。この木の皮をはいで繊維をとりだし、漉いて和紙にする。むかしの教科書にはコウゾ、ミツマタとセットで書かれていた。いまの若い人は知らないようだ。

 館内には和紙の製法のほか、歴史も詳しい。江戸時代は藩の重要産品として製法は門外不出であった。そのせいか、街の雰囲気が有田焼の有田などと似ている。


 椙本神社(すぎもとじんじゃ)。またの名をいのの大黒さま。大黒さまは本来仏教の守護神だがオオクニヌシと習合して神社になっている。商売繁盛、縁結び、家内安全のご利益あり。いの紙の商売繁盛を守護してきた。


 伊野の街並みの西を仁淀川(によどがわ)が流れている。源流は石鎚山など四国山地で、高知を縦断して太平洋に注ぐ。水質は日本一で、水面が青く美しい。仁淀ブルーと称される。いのの紙漉きの隆盛をささえてきたのは、この水である。

 というわけで番組(土佐旅)の途中ですが、今日は事務所の大掃除とご用納め。みなさま1年間本ブログにおつきあいいただき、ありがとうございました。よい年をお迎えください。来年もよろしくお願い申し上げます。

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