2024年1月31日水曜日

奈良大宮ロータリークラブ45周年(5)




 東大寺三月堂・二月堂のあとは、三笠山麓にそって春日大社をめざす。

まずは手向山八幡宮。手向山の麓にある。菅原道真公が次の歌を詠んだとされる(もうちょっと京都側だったのではないかという説もある。歌の趣旨からしてそうかもしれない。)。

 このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに

それから若草山。東大寺南大門あたりにいた殺気だった鹿たちに比べ、のんびりした連中や子鹿が草を食んでいた。

 潅仏の日に生れあふ鹿の子哉 芭蕉

若草山はまたの名を三笠山。在唐36年におよんだ安倍仲麻呂が故郷を偲んで次の歌を詠んだ。雄渾。ついに故国の土を踏むことはなかった。

 天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも

わが宝満山は、もと御笠山とも言う。笠をふせた形をしているから。奈良平城京からはるばる大宰府へ赴任してきた大和官人たちも、宝満山を三笠山になぞらえて故郷を偲んだのだろうか。

そして春日大社(国宝)。藤原氏の氏神を祀る。神紋は下がり藤。主祭神のタケミカズチ(鹿島神。雷神、剣の神)が白鹿に乗ってきたことから、鹿を神の使いとする。奈良公園に鹿がたくさんいるのはこのため。そのことを知らずして鹿と戯れる日本人のなんと多いことか。チコちゃんに叱られる。

タケミカズチが剣の神であることから、国宝殿は多数の国宝の刀剣を興味深く見ることができる。刀剣少女という部族がいるそうだが、あやしい魅力というか魔力にとりつかれる人たちがいることも理解できないではない。

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