2012年2月15日水曜日
『薬害肝炎裁判史』
(霧氷。ライオンの親子にみえませんか?)
きょうは午前10時30分から福岡地裁で
薬害肝炎の個別救済に関する期日があります。
私が担当していた原告さんの和解も
成立する予定です。
ながくかかりました。
その理由はこうです。
被害者はある大学病院で心臓の手術を受け
その際に、フィブリノゲン製剤の投与を受けました。
いわゆる糊としての使用で
臓器の接着剤として使用されたケースです。
おなじようなケースが
その時期にもう一例ありました。
問題は、これらの使用時期が新製品の販売時期と
かさなっていたことです。
新製品では加熱処理がなされていたため
肝炎ウイルスに感染する危険性は少なかったとされます。
そのため、被告の国と企業から
新製品が使われたとの反論がなされました。
当時の執刀医の大学教授も
国や企業側に立って、新製品だったと証言しました。
執刀医がそう証言したのですから
絶体絶命の危機です。
でもわれわれは、執刀医の証言が他のカルテの記載と
矛盾することをつぎつぎに明らかにしました。
その結果、裁判所から和解勧告がなされ
本日、無事に和解が成立する運びとなったわけです。
というわけで手前味噌ですが、きょうのお奨めは
薬害肝炎全国弁護団による『薬害肝炎裁判史』(日本評論社)。
私もⅢ 運動、第1章 全面解決を求めて
第1節 集団訴訟における運動の意義(218頁以下)
第2章 薬害肝炎救済法の制定(298頁以下)
を書いていますし
Ⅵ 座談会(366頁以下)にも参加していますので
興味のある方はご一読くださいませ。
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