2012年2月16日木曜日
『ドラゴン・タトゥーの女』&『背後の足音』
きょうからワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野で
映画『ドラゴン・タトゥーの女』が公開。
原作は『ミレニアム』(Millennium)
北欧スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる推理小説。
「ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」
「眠れる女と狂卓の騎士」からなる三部作です。
スウェーデンの推理小説ながら
全世界で6500万部を売り上げた、ベストセラー。
スウェーデン版映画を観た方もいるでしょうが
デヴィッド・フィンチャーがリメイク。
「ドラゴン・タトゥーの女」リスベット・サランデルを演じるのは
ルーニー・マーラ。
『ソーシャル・ネットワーク』で
主人公の元彼女。
主人公のミカエル・ブルムクヴィストを演じるのは
ダニエル・クレイグ。
言わずと知れた
近作のジェームズ・ボンドですね。
是非とも観に行きたい。
でも時間が…。なんとかしなければ…。
かくてスウェーデンといえば福祉国家のイメージだったのですが
やはり人間の住むところ犯罪あり。
というわけで、『背後の足音』上・下(創元推理文庫)
ヘニング・マンケル著、柳沢 由実子・訳。
シリーズ第7作目だそうで
知りませんでした。
『ミレニアム』のヒットにより北欧ミステリに注目が集まったせいか
私の目にもとまりました。
ヴァランダーという中高年刑事が糖尿病、睡眠不足にあえぎ
スウェーデン社会の犯罪化を嘆きながら事件解決に挑みます。
これもスウェーデンの犯罪小説、警察小説であり
ミステリです。
同僚らと対話しながら謎解きもしますが
基本は体をはってのハードボイルド仕立てとなっております。
ミステリというのは、最初に登場人物の紹介があって
犯人はこの中にいるのがお約束になっています。
ですから、登場人物が少なければ少ないほど
作者と読者の知恵比べが面白くなります。
これは日本の和歌や俳句に通じるもので
しばりが厳しいほどおもしろみが出てくるわけです。
ぎりぎりのところで、主役とその他2人の登場人物となると
その他のうちどちらかが犯人なわけです。
そのため、作者のほうも苦し紛れに
実は主役が犯人でした!とか
全員が犯人でした!みたいな
反則ギリギリの技を使ったりします。
こうしたミステリ的な観点からすると
『背後の足音』はやや裏切られ感があります。
でもその分
ハードボイルドな部分で読ませますのでご心配なく。
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