2011年12月9日金曜日
『平成猿蟹合戦図』
吉田修一さんを知ったのは
どちらの作品だったか?
仲間由紀恵さん主演でテレビドラマになった
『東京湾景』(新潮社2003)だったか?
そのころ薬害肝炎訴訟を提起。
東京での会議の際、モノレールのなかで読んだ記憶が。
それとも芥川賞を受賞した『パークライフ』(文藝春秋2002)
だったか?
これも東京・弁護士会館での会議がはじまる前の時間
日比谷公園で読んだ記憶が。
それから、『最後の息子』(文藝春秋1999)
『熱帯魚』(文藝春秋2001)
『パレード』(幻冬舎2002)
『日曜日たち』(講談社2003)
『ランドマーク』(講談社2004)
『7月24日通り』(新潮社2004)
『初恋温泉』(集英社2006)
『悪人』(朝日新聞社2007)
『静かな爆弾』(中央公論社2008)
『元職員』(講談社2008)
『さよなら渓谷』(新潮社2008)
『横道世之介』(毎日新聞社2009)
こうして並べてみると、伊坂幸太郎さんや奥田英朗さんほど
意識的には追いかけていないけど、そうとう読んでますね。
『7月24日通り』は大沢たかおさんと中谷美紀さん主演の
映画(2006)もステキでした。
妻夫木聡さんと深津絵里さんで映画になった
『悪人』も記憶に新しい。このブログにも書きました。
さていま書店に平積みされているのが
『平成猿蟹合戦図』(朝日新聞出版)。
タイトルから明らかなとおり
有名な昔話を下敷きに。
読む前はこのタイトルはよくないと思っていました。
話の展開がみえみえな気がして、読む気を削ぐので。
ところが途中これがなんで猿蟹?と安易な臆断を心地よく裏切られ
最後はぴしゃっと猿蟹で着地を決めるという見事さ。
たくみな話運びと
しっかりとした構築性を堪能させられました。
長崎、東京、秋田を結んで
若者たちが政治の世界に挑戦する話。
近年話題になった虎退治やクマ退治が
ベースになっているのでしょうか?
長崎出身の吉田さんの関心からすれば
やはり「エリのクマ退治」のほうでしょうか?
そうだとすると、きょうの話
薬害肝炎提訴からはじまり、うまく着地なのですが。
(政治のリアルにもとづいているのでしょうが
裏勢力との関係が無批判に書かれているのが唯一難点でしょうか)
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