2011年12月8日木曜日

「我が敵は我にあり」(3)



 というわけで、ふつうの暴力団関係事件は
 暴力団が暴行・脅迫など違法行為をしています。

 しかし今回はちがいます。
 暴力団員が借主だというだけです。

 家賃はきちんと支払っていますし、その他
 借主としての一般の義務に違反しているわけではありません。

 福岡県の条例に定めがあり、県警のホームページに名前が出ている
 それだけで物件から出て行ってもらえるのか?

 契約書を確認すると、借主が暴力団員と判明したときなど
 契約を解除することができるとあります。

 判例を調べてみると
 同種事案で契約の解除を認めたものがありました。

 なんとかいけそうなので
 お引き受けすることにしました。

 まずは先の契約条項にもとづき契約を解除するので
 建物を明け渡して欲しい旨の手紙を出しました。

 自分が脅されるのはイヤですが
 家主さんに矛先が向くのはもっと困ります。
 
 家主さんには自分で対応しないよう、なにかあったら
 すぐに警察を呼び、こちらにも連絡するよう指導します。

 しばらくして相手から電話がありました。
 おおむね退去するとの意向でした。

 なんどかやり取りし、なかなか退去の念書が来ませんでしたが
 ようやく条件もととのい、退去してくれることになりました。

 漱石の『門』じゃないですが、衝突は回避され
 一件落着です。

 正直、暴力団員を相手とする事案は
 気がすすみません。

 でも一般の方が自分で話をするのはどのような危害を
 くわえられるかわかりませんので、やむを得ません。

 みなさんが地域から暴力をなくそうとするかぎり
 お手伝いしていきたいと思います。

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