2011年12月19日月曜日

『クライマーズ・ハイ』(4) by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 ある板金塗装業者に税務調査
 そして税金が少ないと、税務署が増額処分。

 煎じ詰めると、同業者にくらべて儲け方が下手
 というのがその理由(同業者比率に基づく推計)。

 そんなバカな!
 と裁判闘争。

 苦労して、一部勝訴
 税務署の推計・課税の仕方が杜撰という判断でした。

 意気揚々と記者レク。
 でも司法記者さんたちの反応はいまいち。

 そのレクが終わってから訊かれました。
 「最近、なんか面白い事件ないですか?」

 う~ん。そういえば
 きょうこんな判決もらったけど。

 交通事故の後遺症に関する判決で
 男子中学生の顔のキズについて女子と同様の損害を認めたもの。

 司法記者クラブ内はがぜん活気づき
 翌朝刊ではそちらのほうが大きな記事になったことでした。

 弁護士からすると、税金裁判に勝つほうがずっと難しくて価値がある
 のですが、そんなこと読者はあまり興味がないというわけです。 

 ま、2つとも記事にはなって
 うれしいのはうれしかったのですが…。 

 弁護士の事件に対する評価と記者さんたちのニュース・バリュー
 に対する評価のちがいを実感したことでした。

                  ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

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