2010年11月15日月曜日

 YESTERDAY



宇治野みさゑ弁護士と離婚したのち3か月ほどして
A信販から150万円を支払えと訴えられました。

離婚の半年ほどまえ
元妻である宇治野弁護士が150万円を借りたとき
私が保証人になったというのです。

提出された借用証の写しをみると
署名は私のもののようでもあり違うようでもあり
ハンコは私の認め印でした。

でもまったく身におぼえがありませんでしたので
全面的に争いました。

証人として宇治野弁護士が出廷し
自宅リビングでテレビをみているときに
保証人になることを私が承諾したと証言しました。

というのは、模擬裁判での話し。

法学部の学生さんに民事裁判の実務を体験してもらおうと
九州大学、裁判所、弁護士会の共催で模擬裁判をおこないました。

シナリオは実際に手がけた事件をもとに
私が書きました。
ただし、結論をファジーにしたほうが面白かろうと
尋問に対しては自由に証言してよいことにしました。

法廷は法学部の大講堂。
裁判官役は現役裁判官3人、弁護士役は現役弁護士6人
夫と妻役は上記のとおりでした。

学生のみなさんにも裁判官の立場で判断してもらいました。
学部の先生がたもたくさん傍聴に来られていました。

おおくの人が誤解しているのですが
契約も約束のひとつですから口約束もあり。

われわれは毎日、契約書なしで売買契約をおこなっています。
契約が成立するのに、実印はおろか自署さえ必要ありません。

電気店でクーラーを購入する際などに
妻が夫名義を代筆することはよくあることです。
コンビニでは一言も発さずレジで商品を差し出すだけでOK。

承諾も契約時に必要なわけではなく
事前了解のみならず、事後承諾でもかまいません。

購入のときには知らなくとも
「ま、いっか。」と考えて使用すれば
事後承諾とみなされることもあります。

本件でも、私に保証人になる意思があったかどうかが決めて。
自宅リビングでテレビをみているときに
「ああ、いいよ。」と言ったとなれば
私の敗けです。

私は被告本人として証言しました。
そのころは家庭内別居で
なにか言ったかどうかもなにも
口もきかない状態でした…と。

判断はわれたものの
からくも勝訴することができました。
(学生のみなさんも裁判官も
私の誠実な人柄をわかってくれたのだと信じます。)

たかが模擬裁判ですが、されど模擬裁判。
心からうれしかったです。

学生のみなさんには事実認定の
難しさと醍醐味を堪能していただきました。

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