2010年11月6日土曜日

 竈戸神社~宝満の祈り~



 地域事務所交流会@筑紫のプレ企画は
 ①筑紫路歴史散策(都府楼址~太宰府天満宮)
 ②筑紫路バスツアー(大野城、奴国遺跡など)
 ③宝満登山
 のなかからのチョイス。

 私の担当は③宝満登山のツアーガイドでした。
 迫田登紀子弁護士といっしょに11名様のご案内。

 西鉄太宰府駅に集合、タクシーで善導寺バス停まで。
 堤谷→百日絶食碑→紅葉谷→金の水→釣舟岩
 →キャンプ場(昼食)→山頂→中宮址→竈戸神社のコース。

 宝満山中には
 玉依姫命(タマヨリヒメ)が居わします。
 
 私はまだお会いしたことがないものの
 目撃証言と物証があります。

 山頂手前の「馬蹄石」
 「玉姫降神すれば即ち山谷鳴りて震動す。
 心蓮座に登れば即ち天華飛びて繽粉たり。」
 
 天武天皇白鳳2年(673)2月10日の辰の刻
 法相宗の僧で、宝満山の開山である心蓮上人が
 山に篭り樒閼伽の水を持って修行していたところ
 俄かに山谷が震動し何ともいえない香りが漂い
 忽然と貴婦人が現れ
 「我は玉依姫なり
 現国を守り民を鎮護するためこの山中に居ること年久し」
 と告げたとかと思うとたちまち雲霧がおこり
 貴婦人は姿を変じて金剛神となり
 九頭の龍馬に駕して飛行した…。
 
 その龍馬のひずめの跡が
 「馬蹄石」の上のくぼみ、だとか。

 法律事務所の集まりですから
 日ごろデスクワークばかりのところ
 みなさんとても元気でした。

 とくに貴婦人がたの元気なこと
 昔も今もかわりありません
 龍馬でさえ尻にしかれる勢いですから。

 ゴールの竈戸神社は
 玉依姫命が主祭神のためか
 縁結びの神様として有名。 

 20代の女性弁護士が
 縁結びおみくじを真剣にひいていました。

 おみくじというと
 「奥山に紅葉ふみわけなく鹿の
          雲居にまごう沖つ白波」
 みたいな歌が書いてあって
 山男と結婚するもよし
 鹿男と結婚するもよし
 パイロットと結婚するもよし
 海猿と結婚するもよし…
 と、ゆるキャラ?なのがふつう。

 でも竈戸神社の縁結びおみくじはちがいます。
 そんな当たったのか当たらなかったのか
 わからないような代物ではありません。

 ①年齢は5つ上か2つ下
 ②干支はイノシシかトリ
 ③星座は水瓶座か蟹座
 ④血液型はAかO
 ⑤近くにいます
 というふうに要件を列挙しています。

 彼女の年齢は2×歳ですから
 ①②の要件を充たすのは2歳下のイノシシ男しかありえません。
 さらに③~⑤の要件をしぼっていくと一人の男にいきつくか
 誰もいないか明瞭になります。

 これはおみくじとしては
 かなりの自信というか冒険というか。

 ゆるキャラ型とオンリーワン型に分類すれば
 まごうかたなきオンリーワン型おみくじ。

 法律論は、要件→効果からできていて
 ①~⑤の要件が揃ったときは→相手に対して金500万円請求できる
 という構成になっています。

 権利を行使する側からすれば要件というのはハードル。
 ハードルがおおいほど権利行使(勝訴)が困難になります。

 法律相談はいっぱんに
 相談者の主張内容がこの要件をすべて充たすかどうか
 の吟味に費やされます。

 全部の要件が
 完璧な証拠で裏付けられている!
 という案件は100%ありません。

 かぎられた証拠をもとに
 勝てるのかどうか
 将来予測はなかなかに難しい。

 私どもとしては
 「法律が要求する①~⑤の要件について
 あなたが主張する事実が存在すると裁判所が認めれば
 勝てますよ」
 と慎重ないいまわしで
 回答をすることになります。

 それでも前提がとんでしまって
 「勝てますよ」というところしか
 聞いていない、あるいは覚えていない
 方がほとんど
 裁判に負けると苦労することになります。

 このような経験に照らし
 竈戸神社の縁結びおみくじは
 いっそ潔いと思います。
 

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