2010年11月18日木曜日

 ひとりはみんなのために、みんなは?



 月曜は薬害エイズ事件の
 きのうは薬害肝炎事件の原告弁護団会議でした。

 こういうと、まだやってんの?
 とよくいわれます。

 薬害エイズ事件でいえば政府との和解は1996年
 ですから14年になります。

 たしかに当時厚生大臣だった菅直人さんが
 首相となって「予想外の」政権運営をしいられている
 ぐらいの時間が経っています。

 しかしエイズという病は
 今日明日に死に至る病ではなくなり
 慢性疾患となったとはいえ
 おおくの困難な問題をいまだ抱えています。

 ①治癒をもたらす特効薬がないこと
 ②症状の進行をおさえる服薬が著しく困難であること
 ③抗エイズ薬はやっかいな副作用がおおいこと
 ④感染症であること
 ⑤性感染による患者が増えていること
 ⑥差別・偏見がいまなお厳しいこと
 ⑦心理・精神的な傷に対するサポートが必要であること
 など。

 薬害被害者のばあい、つぎのような問題もあります。

 ⑧血液製剤による肝炎、肝硬変をほぼ合併してること
  その治療も難しいこと
 ⑨基礎疾患である血友病のコントロールが必要であること
 ⑩血友病にともなう整形外科疾患をほぼ合併していること
 など。

 さらに医療環境にも一般と異なる障害がおおいのです。
 患者をうけいれる医療機関が地域にまったくない
 という信じがたい状況ではなくなり
 熱心にとりくんでくれる医療関係者がふえたとはいえ。

 医療環境の整備・向上という課題解決のため
 九州の拠点病院、政府との間で毎年一回協議しています。
 
 差別・偏見の解消、薬害再発防止などの課題もあります。
 肝炎の原告らもほぼ同じような課題に取り組んでいます。

 彼・彼女らのねばりづよい運動の成果は
 薬害被害者以外の患者の利益にもなります。

 差別・偏見のない社会、薬害のない社会は
 われわれみんなのためになります。
 
 なので、まだやってんの?
 などと冷たいことをいわないで
 心からのご理解とご支援をお願いします。
 

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