2025年11月28日金曜日

北陸路~越後路を旅して(6)谷村美術館・玉翠園、翡翠園

 



 糸魚川といえば、 糸魚川静岡構造線(フォッサマグナ西端)の北の起点であり、東西の日本列島の中央に位置し、全域がユネスコ世界ジオパーク(地球科学的価値をもつ遺産)に指定されている。

 ジオ的に東西日本の中央にあることから地の利を生かし、東西の日本文化の交流拠点、北前船往来による海上交通の拠点、越中、信濃、越後三国の物流拠点として栄えた。

 現在の人口は3万6000人余であるが、往時の繁栄をしのばせる観光拠点が市内に点在している。このうち、谷村美術館・玉翠園と翡翠園を訪ねた。ヒスイ海岸からは歩いて回れる距離である(健脚向き)。

 まず谷村美術館。木彫の仏像作家澤田政廣の作品を展示。村野藤吾の設計した展示館は、平山郁夫の絵画シルクロード「敦煌」のよう。砂漠の石窟寺を彷彿とさせる建物が出現する。

 仏像は金剛王菩薩、光明佛身、弥勒菩薩など10点。ヒスイの里だけに珠玉の作品たち。ガウディのように湾曲した内部に自然光と人工照明を組み合わせた展示は、京都・奈良の仏像たちとはちがったメッセージと印象をわれわれに届けてくれる。


 谷村美術館に接して玉翠園。入口では自然石の大観音像(高さ8m、90トン)が出迎えてくれる。磐座(いわくら)な風景である。



 足立美術館枯山水庭園を手がけた中根金作が作庭。背後の山を借景し、そこから視線を移した月山から水が流れ下り、行雲流水な趣である。


 しばらく歩いて翡翠園。受付のおばちゃんたちと「福岡からはるばるここだけのために来ました。」などと冗談をいいあいつつ、入園。


 入園するとすぐ正面に目玉の(ような)コバルトヒスイの原石。70トン。おばちゃんたちが触ると幸せになれるというので、丹念になでなでした。

 ヒスイには繁栄、長寿、幸福、安定の効果があるとされている。70トン分のパワーストーンのパワーをいただいた。


 巨大なヒスイ原石の背景には日本庭園が広がっている。


 庭園の一画にはヒスイ美術館がある。ヒスイを加工した作品が多数展示されている。無料である。眼福眼福。

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