2025年11月12日水曜日

書写山・圓教寺を訪ねて

 

 司法研修所卒業40周年行事の翌日、まっすぐ博多に帰るのももったいないので、姫路で途中下車。

 書写山・圓教寺を訪れることにした。天台宗別格本山。西の延暦寺と呼ばれる巨刹。本尊は釈迦三尊。

 966年、性空によって創建されたという。紫式部の生年が970年ころと推定されているので、性空は式部の父・為時と同時代人であろう。

 性空は、霧島山、背振山など九州でも修行を積んだらしい。霧島山で修行したことや書写山でのことは『今昔物語集』に書かれている。

 https://yatanavi.org/text/k_konjaku/k_konjaku12-34

 新幹線のない時代、京都から遠く離れながら、皇族や貴族の信仰もあつく、訪れる天皇、法皇も多かったという。

 圓教寺は西国三十三所めぐりの27番札所。つまり、花山法皇のゆかり。『光る君へ』で描かれたとおり、法皇は道兼にだまされ出家させられた。失意の法皇は本寺に入ったという。 


 姫路駅からはバスで書写山ロープウェイのバス停へ、そこからロープウエイで標高371mの書写山山上へ。

 山上駅から参道をしばらく登る。「西国巡礼の道」と称され、左右に西国三十三所の観音様の銅像が立ち並んでいる。道をつめると仁王門。あいにくの雨天。そのせいか、人は少なめ。しっとりとして、いい雰囲気である。



 さらに参道を進むと摩尼殿。摩尼(梵語)=如意。本尊が如意輪観音だから。意のままに説法し、衆生の苦を抜き、世間の利益を与える。

 天人が桜樹を礼拝するのを見て、上人が根があるままの桜樹に観音像を刻んだ。そのため、岩山の中腹に舞台づくりの建物となったという。


 左から大講堂(花山法皇の勅願)、食堂、常行堂。3つの建物がコの字型に並び、重厚な雰囲気を醸し出している。ハリウッド映画『ラスト サムライ』、NHK大河『武蔵』、『軍師官兵衛』等のロケ地となった。

 きのうの司法研修所卒業40周年とは違った意味で、日々に感謝し、来し方行く末を考える時間となった。

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