2024年11月22日金曜日

顧問会社幹部研修旅行同行記@伊豆熱海(3)

 

 熱海サンビーチから南をみると、丘のうえに熱海城がみえる。その左手に、その日泊まる予定のホテルもみえた。


 ホテルの部屋からはオーシャンビュー。残念ながら貫一の呪いである。


 翌日も雨のち曇り。熱海城から熱海湾をのぞむ。見ようによってはホノルルの景色に見えなくもない。きのう行った熱海駅、来宮神社、熱海サンビーチがみえる。お宮の松はあれだろうか。


 最後に、熱海駅で自由時間1時間20分が与えられた。15時13分の新幹線こだまに乗らなければならない。再集合時間は14時50分、いま13時30分である。みなはお土産の購入、食べ歩きに行くようだ。

 さてどうしよう?館内に入る時間はないかもしれないが、MOA美術館をめざすことにした。


 山で鍛えたナビーゲーションスキルでなんとか美術館にたどりついた。所要時間25分で13時55分。帰りは下り坂だから15分とみて、館内滞在時間は14時20分までの25分間。よし、入ろう。

 全部を見て回る時間はない。よし、展覧会開催中のマスターピース、尾形光琳の紅白梅図屏風(国宝)と風神雷神図屏風(重文。東京国立博物館蔵)にしぼろう。


 MOA美術館は、宗教家岡田茂吉のコレクションがもとになっている。かれは「優れた美術品には、人々の魂を浄化し、心に安らぎを与え、幸福に誘う力がある」と考えていた。

 そのためか、美術館は巨大で天上界へ導くような階層構造になっていた。ウェルギリウスの案内もなく、宗教心のうすい迷える初心者には迷いやすい建物だった。

 福岡市立美術館のような規模感・単純な構造と思っていたので想定外だった。滞在時間予定時間25分のうち大半はこの建物のなかをさまよう時間で消えていった。 


 随所に宗教体験をいざなうモニュメントがあった。本来であれば30分ほどゆったりとひたりたい空間であったが、写真を撮るヒマもあらばこそ駆け抜けた。

 途中、野々村仁清の色絵藤花茶壺(国宝)に行き当たった(写真なし)。この複雑な建物のなかを急ぎ移動するなかで行き当たったのは奇跡に思えた。仁清の壺は福岡市美にもある。色絵吉野山図茶壺(重文)。

 どちらかといえば、重文なれど福岡のものが好みである。けっして地元びいきではない。


 14時12分!ようやくお目当てのマスターピース2点を展示する部屋に到着。まずは風神雷神図屏風。京都の建仁寺でも見た覚えがあるけれども、複数あるのだろうか?などと思いつつ(答えは各自検索してくだされ。)、鑑賞。

 みな写真を撮っている。いいのだろうか?と思いつつ、1枚。


 つづいて、紅白梅図屏風(国宝)。これは「スーツを裏返して」のなかでも言及した作品なので、感動もひとしおである。

 ここでも写真をパチリ。写真撮影OKなのは、「美術品は決して独占すべきものではなく、一人でも多くの人に見せ、娯しませ、人間の品性を向上させる事こそ、文化の発展に大いに寄与する」という創業者の信念によるものなのだろう。

 滞在時間1分ほどで、同展示室をあとにした。ゆったりと鑑賞する時間はなかったが、とても満足だった。かぎられた時間のなかで、自分がみたいものだけしぼって見る。なんというぜいたく。

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