2024年10月7日月曜日

離婚事件(解決)(3)親権者の指定

 

 DV対策のつぎにやっかいなのが、未成年の子らの親権者の指定争いである。幸い今般解決した3件の事件のうち、未成年の子がいたケースは1件で、そのケースも離婚と親権者の指定について争いはなかった。母が親権者になることに父が同意してくれた。

 いま受任している未解決の事件に親権者の指定が激しく争われているものがある。未成年の子たちを母が連れ出そうとしたので、父が当職に依頼し受任通知を手交したところ、母がひとりで実家に帰った(父側が子らを育てている)事案である。

 母側の弁護士から身柄引渡の仮処分、本案審判、離婚等を求める調停を矢継ぎ早に起こされ、他方で、面会交流を求められ、対応に苦慮している。

 親権者の指定は、一般に、①現状維持、②乳児については母優先、③意思表明できるようになった子については、子の意思の尊重が判断の基準となっている。

 現状維持の基準によれば父が親権者になりそうであるが、母側は子どもたちを拉致されたに等しいなどと訴えている。当方は、弁護士名の受任通知を交付しただけなのだが。

 母側はイーブンな状況で、父が適切か母が適切か判断せよと訴えている。当方は父側が養育している現状を変更する特段の事情があるかどうかを判断せよと訴えている。後者の判断基準のほうが父側に有利になるからである。

 このケースについては、裁判官による審尋が2度行われ、調査官調査も実施された。現在、その報告書待ちである。

 いずれにせよ、未成年の子らの将来がかかっている。幸多い結論となることを切に願っている。

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