2024年10月3日木曜日

離婚事件(解決)(1)離婚かそうでないのか

 

 離婚事件が3件解決した。わが事務所は地域に根ざしていることや、8人中3人が女性弁護士であることなどから(37.5%、一般的には20%弱くらいだから多い)、離婚事件は少なくない。

 離婚事件といっても、夫側のこともあるし、妻側だけれども男性弁護士希望のこともあるので、男性弁護士ももちろん離婚事件を受任している。

 離婚事件はすべからく家庭裁判所に調停を申し立てるという弁護士もいるが、当職は交渉を先行させる。まずは話しあいを申し入れるのである。

 離婚事件は、一般の事件以上に感情の高ぶりや混乱がみられるので、すべからく調停を申し立てるというのも一理ある。しかしそれだけの理由で交渉を省略する必要もないように思う。

 家庭裁判所という緩衝材、ペースメーカーが存在しないことから、無用な衝突や交渉が進まないことがあるが、そのときにはそのときに調停を申し立てればよい。

 以前であれば全件でリアル調停がおこなわれていたが、コロナ禍以降、電話調停、オンライン調停が一般化した。その意味では調停のハードルもさがった。あとは交渉より費用がやや割高になることだけだろうか。

 離婚事件のばあい、依頼者の年齢、人生ステージにより紛争形態が異なる。フルセットとなれば、DV対策、離婚するかどうか、未成年者の親権者をどちらにするのか、別居親との面会交流、離婚までの婚姻費用・離婚後の養育費、財産分与、慰謝料、年金分割が論点となる。

 以前は離婚するかどうかが大問題だったように思うが、最近は離婚のハードルがさがっているように思う。

 かつては「妻は本当は離婚するつもりはない、弁護士が金目当てに離婚を言い立ててるだけだ。」などと頑張る旦那がいた。その場合、「じゃ、奥さんが離婚したいという意思確認ができたら離婚に応じるね?離婚届に判子をおすね?」「うん。」などと約束させる。

 途中で前言をひるがえすと困るので、中立的な立会い人を同道してもらう。また離婚届を用意し、あとは夫の署名・捺印をするだけの状態にしておく。そのうえで、妻、当職、旦那、立会人の4者会談。

 当然、妻は離婚したいという(たまに、そうでないことがある。夫婦喧嘩は犬も喰わない、といわれるゆえんである。)。夫、万事休す・・・。みたいなことをやっていた。最近はこのような芝居じみたことはやらなくなった。

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