角館からは普通電車で田沢湖駅まで。民泊のような安宿に泊まる。客は、他に夫婦、女性2人旅をあわせて5人だけである。もちろん素泊まり。夕食は駅前食堂で。
翌早朝(3日目)5時20分に起きだして支度し、駅前6時発の秋田駒ヶ岳8合目行きバスに乗る。駅前からは2人だったが、途中、十和田湖畔や温泉街に宿がいくつもあり、次第に乗客は増えていった。
右手車窓からは朝日に照り輝く秋田駒の山頂部が見えている。白くなっている。雪だろうか。昨日の強雨は低気圧と前線の通過によるもので、寒冷前線の通過により、山頂部は氷点下まで冷え込んでいるようだ。
登山口のバス停からはつづら折れの狭い道をバスはクネクネと登っていく。途中、ゲートがあり番人がいて、一般車は通行止めになっている。山頂部積雪していればここまでと言われていたが、どうやら積雪はなく登れるようだ。ゲート番が「けさはさびーどー」と言ったので、社内爆笑した。
クネクネ登るうち、車窓の風景は秋から晩秋、晩秋から初冬へと移り変わっていった。5~6合目ではすばらしい紅葉がひろがり、酔ったような気分になった。その写真はのちほど紹介しよう。山頂近くは、上記の写真のとおり。木々は葉を落とし、もはや初冬のたたずまい。
8合目のバス停に着いた。後方に秋田駒の最高峰(秋田県の最高峰でもある。)である男女岳(おなめだけ。1637m)が見えている。寄生火山の赤茶けた山肌に白いものが被っている。
秋田駒は2つのカルデラが北東-南西に並び、女目岳のほか、男岳、女岳などからなり、複雑な地形をなしている。雰囲気はくじゅう連峰と似ている。
まずは女目岳からのびる斜面にとりつく。火山であるためか、道はまっすぐのびていかず、この山体を西側(右側)から巻いていく。直登すれば急登であろうが、巻いていくのでそれほどきびしくはない。
北をふりかえると乳頭山が姿をあらわした。岩手県側からは烏帽子岳と呼ばれる。秋田県側からみると乳頭に、岩手県側からみると烏帽子にみえるというのが名の由来。しかし秋田県側からみても烏帽子にみえるがどうだろう?
その西側(左手)にはかの有名な乳頭温泉郷がある。15年ほど前、迫田弁護士夫妻、石井弁護士と4人で乳頭温泉に泊まり、岩手山に登った。薬害肝炎の会議が仙台であったので、終わったあとスーツを裏返したものである。
北から西北に目をうつすと、きのう登り損ねた森吉山がみえた。たおやかな稜線を広げている。あそこにはクマの2匹や3匹うろついているだろう。もちろん、秋田駒にもクマはいる。が、森吉山がそう思わせるのは、やはりマタギの山だからだろう。
下から白くみえていたのは霧氷だった。霧氷の写真もあとで紹介しよう。登山道は女目岳の西側山麓をどんどん巻いていく(山を登らないで迂回することを「巻く」という。)。
湖の奥の方向に角館がある。一昨日はそこから右手のほうへ向かい、先ほどの森吉山の向こう側にある阿仁前田温泉へ行ったことになる。昨日はその逆の行程である。
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