さて男岳をくだろう。右手(東側)にムーミン谷が見えている。
日がのぼり気温があがりだして霧氷がとけ始めている。そろそろ見納めだ。そう思うとなおいっそう美しい。
阿弥陀池の畔まで戻る。振り返ると、男岳がみえた。ここからだと、低く感じる。
いま女目岳の裾を西側から巻いて南側へやってきたところだ。正面・南に男岳(1623m)が姿をあらわした。
翌早朝(3日目)5時20分に起きだして支度し、駅前6時発の秋田駒ヶ岳8合目行きバスに乗る。駅前からは2人だったが、途中、十和田湖畔や温泉街に宿がいくつもあり、次第に乗客は増えていった。
右手車窓からは朝日に照り輝く秋田駒の山頂部が見えている。白くなっている。雪だろうか。昨日の強雨は低気圧と前線の通過によるもので、寒冷前線の通過により、山頂部は氷点下まで冷え込んでいるようだ。
登山口のバス停からはつづら折れの狭い道をバスはクネクネと登っていく。途中、ゲートがあり番人がいて、一般車は通行止めになっている。山頂部積雪していればここまでと言われていたが、どうやら積雪はなく登れるようだ。ゲート番が「けさはさびーどー」と言ったので、社内爆笑した。
クネクネ登るうち、車窓の風景は秋から晩秋、晩秋から初冬へと移り変わっていった。5~6合目ではすばらしい紅葉がひろがり、酔ったような気分になった。その写真はのちほど紹介しよう。山頂近くは、上記の写真のとおり。木々は葉を落とし、もはや初冬のたたずまい。
秋田駒は2つのカルデラが北東-南西に並び、女目岳のほか、男岳、女岳などからなり、複雑な地形をなしている。雰囲気はくじゅう連峰と似ている。
こうなることは出発の前日、前々日にはわかっていた。ちかごろは早割(早期に買うので割引きとなっている航空券)の旅なので、予定日の天候が悪くても行くしかない。
午前中強雨ということなので、宿でチェックアウトの時間までねばって出発。阿仁前田温泉駅からは1両の普通電車。
阿仁合(あにあい)駅で観光電車でおしゃれな急行縄文号3両に乗り換えた。おしゃれと縄文号という名がミスマッチな気がしたが、それはいいだろう。
なぜ縄文号なのか。沿線に伊勢堂岱遺跡があるからだ。遺跡は世界遺産。4つの環状列石が有名。イギリスのストーンヘンジは有名だが、これは知らない人が多かろう。
世界遺産に登録されたのち、注目を集めている。あらためて縄文の美にも光があてられている。おしゃれとミスマッチでない日も遠くない。
阿仁合からは台湾ツアーのみなさんも、地元のみなさんも乗り込んできた。にぎやかだ。台湾語だと思ってボヤっと聞いていると、途中から東北弁だと気づいたりした。またボヤっとしていると台湾語に戻ったりする。