2023年3月23日木曜日

岩沼@おくのほそ道

 



 岩沼は、阿武隈山地の北側に位置する。阿武隈川が福島から北にむけて流れてきて、阿武隈山地の北で突如向きを変え、南にむけて流れ太平洋にそそぐ。そのため、岩沼は道が2つに分かれる分岐点となっている。

1枚目の写真は、岩沼駅の高架橋から南をのぞんだもの。中央の山影が阿武隈山地。阿武隈川は右奥から流れてきて、山地の迂回し、左奥へ流れている。

写真右奥へむかって東北本線・中通り、左奥へむかって常磐線・浜通りである。中通りのむこうに福島、浜通りのむこうに福島第一原発がある。

岩沼駅前を15分ほど南下すると、竹駒神社がある(2枚目の写真)。日本三大稲荷。アニメ「バクテン!!」の聖地らしい。知らなかった。


神社の北に古歌で有名な武隈の松がある。根もとから幹が二つに分かれているので、またの名を二木の松という(3枚目の写真)。

その珍しい形状から古来、歌枕になっている。

 武隈の松は二木(にき)をみやこ人いかがと問はばみきと答へむ 橘季道

「にき」と「みき(見き)」のシャレである。

江戸をでるとき、芭蕉の弟子の挙白が餞別の句を詠んだ(かれはこの地方の出身だといわれている)。

 武隈の松見せ申せ遅桜

これらを踏まえて芭蕉が詠んだ句はこれ。

 桜より松は二木を三月越し

桜と松、二木と三月のとりあわせである。いまなら、地震・津波・原発事故を喚起されるところである。

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