まずは八甲田山をめざす。夏に2度登ったことがある。いちどは事務所旅行の途中、稲村弁護士、行田さん、浦田の3人で登った。2度目はひとり。雪山は初挑戦である。
青森空港からシャトルバスでJR青森駅へ。青森空港は青森駅と八甲田山の中間地点にあるので、いったん戻るかたちになる。タクシー代を節約するため、やむをえない。
青森駅のすぐ裏は海になっていて陸奥湾、その向こうは津軽海峡だ。津軽海峡冬景色というには春にちかすぎるか。海に向かうと開放感がちがう。青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸をみることもできる。しかしここは先をいそごう。
八甲田山の登山基地は酸ヶ湯温泉である(1枚目の写真)。酸ヶ湯温泉までは青森駅からJRバスで。青森空港からすでに八甲田の山々は白く輝いている。心おどる。
しかしバスはこれまたまっすぐに向かわない。まず、青森新幹線の駅である新青森駅へ。そこで時間待ち。その後、三内丸山遺跡や青森県立美術館など名所をめぐる。
三内丸山遺跡は縄文時代の大規模集落跡である。佐賀の吉野ヶ里遺跡と似ているが、やはり火炎土器のように力強い。縄文時代、このあたりはさぞやドングリがたくさん採れたのであろう。
青森県立美術館では奈良美智の作品にであえる。有名なのは「あおもり犬」。その他、棟方志功の作品にも力をもらえる。
https://aomori-tourism.com/spot/detail_1664.html
そこから先、道は南へ折れ、八甲田の山中に入っていく。八甲田山といえば高倉健、北大路欣也の映画だ。新田次郎原作。77年封切り。「天は我々を見放した」という北大路のセリフで一世を風靡した。
明治35年、青森の連隊が雪中行軍を行って遭難、210名中199名が死亡した事件に基づいている。
だから、雪の八甲田に登るといえば、誰もが心配する。しかし、天候判断さえ誤らなければそれほど困難な登山ではない。
酸ヶ湯の手前にはスキー場やロープウエイがある。上記遭難が起きたのは、それより低い場所である。当時の装備、気象予報制度、道路状況など、いまとはまったく別ものだったのだ。とはいえ、気をひきしめる。
酸ヶ湯温泉にチェックイン。男女混浴の千人風呂で名高い。本館はリニューアルされてホテルのようだ。
登るのは明日。まだ時間があるので、登山道の偵察にでかける。これが意外と大事。登山は早立ちが基本なので、暗いなか道迷いすることがあるからだ。
温泉周辺でも2メートル以上の積雪であるが、春の気配が濃い。沢筋など雪解けがはじまっている。ブナなどの木は枝を広げて春を待っている(2枚目の写真)。
そして、むこうに大岳が白く輝いている(3枚目の写真)。美しい。大岳は八甲田連峰の最高峰。八甲田山に登るといえば、大岳に登るということだ。よし、がんばろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿