2022年5月19日木曜日

都府楼政庁跡~四王寺山の散策


 



 いまの時期、都府楼政庁跡から四王寺山へかけて散策が気持ちよい。寒くもなく暑くもない。そよ風がさわやか。空気に馥郁と新緑の香りがまじる。いろんな野鳥が恋歌を鳴き交わしている。

都府楼政庁跡の中央には、トウカエデが新緑の枝をひろげている。古代、唐との交流拠点であったことから、シンボルツリーとされているのであろうか。木陰ではグループがストレッチを行っていた。トウカエデの下だけに、太極拳かもしれない。家のなかでするより数倍、健康効果があるだろう。フィジカルだけでなく、精神衛生上の効果も期待できる。

四王寺山の中央、おへそ部分は県民の森センター。そこからすこしあがると、こどもの国広場がある。親子づれが遊具などで遊んでいる。そこによくみると、トチの木があり、花をつけている。花序がクリスマスツリー状に立ち上がっている。ヨーロッパのマロニエの仲間であり、栃木県の栃である。実でトチもちがつくられる。

四王寺山のお鉢に沿ってたくさんのホオの木がある。写真は南のへり、増長天の東側のもの。葉はトチに似ているが、より大ぶりである。葉には殺菌作用があり、朴葉料理(朴葉寿司、朴葉味噌など)につかわれる。モクレンの仲間で、花はやはり古代的で美しい。秋にはこの先端部分の果実がぼとっと落ちている。

山を下りてくると、観世音寺の北側にセンダンが花をつけている。薬用植物。センダンは双葉より芳しというが、実は別種のことらしい。別名、アフチ。筑前守だった山上憶良の時代から花を咲かせ、散らせていた。

 妹が見し楝(あふち)の花は散りぬべし わが泣く涙いまだ干なくに    




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