2025年7月29日火曜日

大雪山~トムラウシ山縦走(9)忠別沼まで

 

 高原沼方面。見えているのはエゾ沼。北海道のかたちをしているからエゾ沼。ここからはすこし角度が悪いようだ。ヒグマの巣だが、ヒグマは見えない。 


 西側には旭岳(左)と後旭岳(右)。


 前方は高天原がどこまでも広がっている。コンビニやその他の店もなければ、道路も上下水道もなく、公衆トイレもない。携帯電話の電波も届かない。

 あたりまえのことを書いているようだが、こういうところを歩いていると日ごろどんなに便利な生活をしているのか実感する。コンビニも、水道も、トイレも、その代わりになるものを背負って歩かなければならない(ポータブルトイレというのもある。)。




 高山植物もどこまでも広がっている。これはハクサンチドリ。千鳥がたくさん集まっているようにみえることから。

 いちど紹介した花は省略するので、なんの花だったか思い出してほしい。



 ウラジロナナカマド。竈門で七回焼いても焼け残るので。ウラジロは葉の裏が白いので。




 ミツバオウレン。牧野富太郎が愛したバイカオウレンの親戚だろう。


 振り返る。左が旭岳、右は白雲岳。手前に若者ふたり。健脚の若者二人をふたたび追い抜かした。若者のひとりが薬を飲んでいるためだ。

 みな山が好きだ。薬を飲みながら山に登っている。薬の種類はさまざま。このあとヒサゴ沼の避難小屋ではおじさんがインシュリンの自己注射を下腹部にやっていた。これにはビックリした。そこまでしてでも登りたいのだ。


 ようやく忠別岳がまぢかに望めるところまできた。このあたりは例年にくらべ雪渓がおおく残っている。いつもだとシカの群れをみられるのだが、ことしは先行登山者がいたためか見ることができなかった。雪渓の向こうには化雲岳、そのお鉢とゼブラ模様が見えている。


 忠別沼。きょういちばん美しいところだ。例年だとエゾサンショウウオやそのタマゴを見ることができるのだが、ことしは雪渓がおおく水温が低いせいか見ることができない。それでも美しいところだ。ごろりと寝転がって昼寝でもしたい。

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