二日目の朝。きょう歩くコースを朝日が東(左)から照らしている。
手前中央の広いところが高天原、その向こうに左から忠別岳、五色岳、化雲岳、いちばん奥の王冠の形がトムラウシ山である。
高天原の右手は化雲沢川が流れ、大きく凹んでいる。忠別岳、五色岳、化雲岳がそれをお鉢状に取り囲んでいる。ここもカルデラ地形なのかもしれない。
本日の目的地であるヒサゴ沼は、化雲岳とトムラウシ山の間の凹地にある。ここからでは見えない。
あまりにも広大なので、凹凸がないように感じるが、実際はそうではない。またヒグマの多数徘徊する地域でもある。
この縦走コースで、ここを踏み出すときがいちばん緊張する。ここを踏み出してしまうと、容易には引き返せなくなるからである。
白雲岳避難小屋をひとり出発する。ハイマツの樹上で野鳥が美しい声で鳴いている。見送ってくれているのだろうか。胸元が赤いのでノゴマだろう。夏、北海道で繁殖する夏鳥だ。
白雲岳から大雪高原温泉方面へ下り落ちる大雪渓を渡る。
スレート平。スレートのような平べったい石がたくさん転がっている。
若者が二人、軽快な足取りで追い抜いていく。ヒサゴ沼のさらに先の南沼野営地まで行くという。すごい健脚。「先に行ってクマを追い払っておいてくだされ」と、半分本気の冗談をいう。
高根ヶ原が近づいてきた。左手の雪渓の下は大学沼である。広大な高原のヌケ感がはんぱない。
きょうも花々が出迎えてくれる。黄、緑、青、紫、白、赤、ピンクと文字どおり色々な色。
チシマキンレイカ。
ウルップソウ。
イソツヅジ。
コマクサ。
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