赤倉温泉駅から陸羽東線を古川に戻る。そこから東北新幹線で盛岡へ向かう。列車は全席指定のはやぶさだ。なんと1両貸切。他に客はいない。これも山の神のご接待か。恐れ多い。
北上駅あたりから東をのぞむ。あのあたりが遠野だろうか、早池峰山だろうか。まもなく新花巻を通過。時間があれば訪ねたいところだ。最近でいえば早池峰山に登ったときに訪ねたきりだ。それでももう10年以上前になる。
盛岡でおり、ホテルに向かう。北上川にかかる開運橋を渡る。北を見ると、岩手山が美しい姿をみせていた。西側に雲がすこしかかっているので、上空は風が強そう。でもこれなら、明日は登れそうだ。開運橋は開雲橋。
岩手山の美しい姿をみると、NHKの朝ドラ「どんど晴れ」(2007年)を思い出す。比嘉愛未が旅館の若女将を好演した。旅館の格式と奮闘しながら成長し、民話との運命的な再会を果たす。その不思議な魅力に、まわりは彼女に開運の座敷童(ざしきわらし)を幻視する。
ドラマ制作のねらいは、目に見えるものしか価値をもたなくなった現代人に欠けている「見えないものを信じる勇気と力」を描こうとしたとされる。
『星の王子さま』や『ロード・オブ・ザ・リング』を共通するテーマ。『遠野物語』の遠野があり、『銀河鉄道の夜』などを書いた宮沢賢治の拠点であった岩手を舞台としたことで、テーマを効果的に描くことができた。欠かさず見た記憶だ。もちろん、オーディションで選ばれた比嘉愛未の可愛いさにハートを打ち抜かれたせいもあったが。
翌日は岩手山に登った。標高2038メートルの百名山。宮沢賢治も中学時代から登り、30回以上は登ったという。ぼくは13年ほどまえに1度、今回が2度目である。以前は迫田弁護士夫婦、石井弁護士の4人で登った。宿で握ってもらった秋田こまちのおにぎりの味が絶品だった思い出がある。
岩手山は、どこよりも地元の人たちに愛されている山だ。東北なまりが行き交い、雰囲気があたたかい。若者から高齢者まで。70歳、80歳とお見受けするおじいさん、おばあさんがたくさん登られている。あの年齢で、足は、腰はだいじょうぶか?といらぬ心配をしてしまう。
70歳、80歳のかたがたに混じって最初は余裕だったが、くだりではそうとうバテてしまた。それもそのはず、この日の万歩計は37,000歩を歩いたと告げていた。平地ならともかく、その半分は登りである。バテたはずだ。
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