2023年12月26日火曜日

MIHO MUSEUM(2)

 




 常設コレクションには、エジプト、メソポタミア、ギリシア、ヘレニズム、ローマ、イラン、トルコ、ガンダーラ、中国、日本など幅広い地域と時代にわたる優品2000点以上が含まれている。

感心したのは解説の面白さだ。世界史の教科書だと、政治史中心となっているので、文化・美術や宗教の記述は最後に添え物のように書かれている。そのため相互の影響やつながりが分からない。

ここでは文化・美術や宗教を中心として(あたりまえだが)、発生・流通・交流の視点から解説されているのが面白い。エジプト、メソポタミア、インド、中国における文化・宗教の発生から地域を越えた壮大な交流と独自性の発揮について学ぶことができた。

学芸員の優秀さだろうか。歴代館長も梅原猛氏、辻惟雄氏らそうそうたる顔ぶれだ。

こちら側も目が肥えてきたせいもあるかもしれない。最近は岡山市立オリエント美術館でオリエント美術の流れを、九博「アールヌーヴォーのガラス展」ではガラスという素材を使った工芸品に関する古代エジプト以来の歴史を学んだばかりだから。

きのうきょうとMIHO MUSEUMの訪問記を読んでいただいたみなさま、気になるのは本館の宗教臭さではないだろうか。ぼくも訪問前は気になった。でも現地ではあまり気にならなかった。

宗教臭というのは、考えてみれば「新興宗教臭」あるいは「宗教の押しつけに対する警戒感」のことではないだろうか。なぜなら、京都や奈良に行けば神社・仏閣、仏像・神像だらけなのに、それほど宗教臭を気にしないからである。

本館のコンセプトは「美術を通して、世の中を美しく、平和に、楽しいものに」。それを裏切らない印象だった(注:館からは1円もいただいておりません。)。

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