NHK-BSでやっている内館牧子原作のドラマ『今度生まれてきたら』にはまってしまった。毎週欠かさず楽しみにみている(リアルタイムではなく録画でだが)。
主役は松坂慶子、風間杜夫の70代夫婦。その他、松坂の姉である藤田弓子と平田満の夫婦など。若者とちがう、あけすけな会話が小気味よい。内館牧子の筆力なのか、ベテラン俳優陣の演技力なのか、妙なリアリティを感じる。
70代にもなると、過去の選択に対する後悔はたくさんあるけれど、将来の選択肢はすくない。なにをするにも「先が見えている」。どのセリフのあとにも、「と言ったって、先は知れているけどね。」とか、「と言ったものの、どこかで聞いたセリフね。」みたいな感慨が漂う。
そうした枠組みのなかでなされる主人公たちの「最後の」あがきの滑稽さが笑わせるけれども、人間存在の素晴らしさをおしえてもくれる。
同窓会に参加した平田満が学生時代のマドンナと再婚しようと、藤田弓子と離婚を言い出す。マドンナはジュディオングで、学生時代は自分のことをバンビちゃんと呼び、「わたし、日本食食べらんない~」などと甘え言葉で言い、男子には超人気があったけれど、女子には嫌われていた存在。あはは。いたね、そういう子。
離婚を切り出された藤田弓子のふてくされた演技が秀逸。それを他人事として感想を述べる松坂慶子の「人生って、いろいろね~」みたいなセリフが笑わせる。番組のはじめのほうで、藤田弓子が別の文脈でおなじセリフを言っている伏線がとても効いている。あはは。
松坂慶子は「今度生まれてきたら、この人とは結婚しない」とつぶやいたけれど、みなさんはどうでせう?
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