2013年3月8日金曜日

世界平和もさることながら






近所のロジウラ食堂で
弁護士4人で昼を食べていた。

若手I弁護士が
深刻そうな顔をして語った話。

さいきん,夜,事務所で
仕事をしているときのこと。

ウォシュレットの水が
冷たくなるんですよね~。

(以前にも書いたが,わが事務所の若手は
ウォシュレットと相性がわるい。)

U:知らんかったと?うちの事務所には
トイレの花子さんがいるんよ。

などと
おどしていると

I:Mくん,これからはトイレについてきて。
M:いや~,むりむり。

U:それは,仮面ライダー1号さんにたのむ仕事でしょ。
みな:それでは世界の平和が…。

あはは。
お約束どおりの展開に。

たしかに,あのCMは
なんどみても笑える。

上野樹里の寝室の安全のために
世界の平和がふっとんでしまうのだから。

正義の味方にも
男としての限界があるんですねぇ。


さて,そこから
つぎの話題に。

それはI弁護士が
T弁護士から聞いた話。

これはもう
かなり前のこと。

T弁護士が夜8時ころ
ひとり残業をしていた。

タクシー運転主が,非行少年ふうの男子
(16歳くらい)を連れて事務所に入ってきた。

聴くと,久留米のさらに南のある街から
タクシーではるばるやって来たとか。

男子はタクシー代を所持しておらず
どうやら無賃乗車らしい。


事情を聴くと
補導委託先から逃げてきたという。

補導委託とは,少年事件の
処分のひとつ。

少年院に送致するかどうか迷ったときに
しばらく住み込みで働かせて様子をみるもの。

もちろん,補導委託先から
無断で逃げてくることは許されない。

補導委託がとりけされて
少年院に送致されることになる。


少年がにぎりしめていた名刺をみると
U弁護士のものだった。

Uはそのころ,なにも知らず
自宅でくつろいでいた。

そしたらT弁護士から
電話がかかってきてビックリ。

とりあえずタクシー代の立替えと
少年を逃がさないように頼んだ。

あわてて着替えて
こちらもタクシーで事務所にかけつけた。


事情を聴くと
補導委託先の人間関係がつらいという。

そりゃそうかもしれない。少年院に送るかどうか
迷うような少年がほかにも何人かいるのだから。

ふつうの職場の人間関係より
よほどつらいと思われる。

補導委託先にただちに
送り返すのが筋だが,それはためらわれた。

補導委託先に電話をして断りをいれ
ひと晩あずかることにした。

事務所から歩いて5分ほどのところに
安宿があるので,そこで同宿した。

部屋では
補導委託先でのことを聴いてやった。


ひと晩寝ると
落ち着いたようだ。

いやだというかもしれないと思ったが
おとなしく補導委託先に戻っていった。

そのあと
裁判所からはやかましく叱られた(ボクが)。

なぜ,ただちに補導委託先に返さなかったのか
というのだ。

はいはい。
私が悪かったです。

少年はその後,無事,補導委託を終了し
社会復帰した。

T弁護士が夜の残業をしていなければ
こうはならなかったでしょうね。

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