裁判所へは
天神から歩くことがおおい。
岩田屋から西通りをへて
稚加榮のまえをとおります。
店の前には
アンズ(杏子,杏)が咲いていました。
アンズの名は
漢名の杏子から。
バラ科で,サクラの仲間
学名,Prunus armeniaca(アルメニアのサクラ)。
アルメニアは
トルコの東北方向にある地方。
Prunusは、ラテン古名のplum(スモモ)から。
スモモのほか,アーモンドやウメともちかい(ちかえだけに)。
正直,名札がかかっていなければ
これらの仲間との区別はむずかしい。
自分たちでもそのようで
容易に交雑するようです(種間の交雑は一般に起こらない)。
英名,アプリコット。
果実はアプリコット・ジャムなどにして食べられます。
名前のとおり,杏仁豆腐の味つけにも
使われるらしい。
種子も風邪の予防薬に。
ここから,「杏林」の故事があります。
中国古代、呉の国に
ある医者がいた。
貧しい人からは治療代をとらない
赤ひげのような人だった。
軽い患者には杏を1株
重い患者には5株植えさせた。
数年にして患者の家のまわりに
杏の林ができた。
以後,患者は病に
かかりにくくなった。
以来,杏林は
良医の名となった。
この故事をふまえて名前をつけた
薬のメーカーがありますね。
飛鳥におわず仏像の目は
この種の形とされています(杏仁形)。
日本へは中国から伝来したため別名,カラモモ(唐桃)。
逢ふからも ものはなほこそ 悲しけれ
別れむことを かねて思へば
清原深養父の歌でアンズのことが詠み込まれています。
どこだかわかりますか?
清原深養父の歌は
小倉百人一首にもとられています。
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを
雲のいづこに 月やどるらむ
孫が歌人清原元輔
曽孫が清少納言という血筋です。
0 件のコメント:
コメントを投稿