2013年3月29日金曜日

天城山で出あったもの(3)







天城山で出あった,その3は
ブナの樹と美林ですね。

ときおりヒメシャラをまじえながら
道中ずっとブナの樹や美林がみごとでした。

日ごろのストレスやなんかが
癒され浄化されていくようでした。

樹や自然林をみて,われわれが癒されるのは
自然とともにあった太古の記憶と関係しているのでしょうか。

スギやヒノキが建築材として
有用であることは事実でしょう。

でも日本の植林の現状や花粉症もちとしては
もっと自然林に戻してもらいたいものです。


さて,天城隧道や天城越えが
作家や作詞家をインスパイアしたのはなぜでしょう?

暗いトンネルの通過や山越えが
青年期の通過儀礼の比喩となっていることもあるでしょう。

男女間の一線を越えるという感じも
あるかもしれません。


峠やトンネルが
境界であるという意味もあるでしょう。

それまで住み慣れた世界
と見知らぬ異界との間の。

そこを通過し,越えることによって
それまでと違う人間に異化されるわけです。

異化されることにより
生まれ変わる,生かされることもあるでしょう。


そういえば,川端康成には
『雪国』という小説もありました。

「トンネルと抜けると
そこは雪国だった…。」

主人公の島村が駒子に会ったのは
山歩きをした後に温泉場を訪れた時のことでした。

さいきんでは,『千と千尋の神隠し』でも
トンネルの向こうは不思議の町でしたーとなってますね。


かくて天城隧道,天城山を越えて
わたくしもいささか更新されて帰ってきたのでした。

みなさまも
いかが?

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