2013年3月14日木曜日

すずめの涙はいまいずこ





いつものとおり弁護士4人
ロジウラ定食で昼をたべていたときのこと。

事件のことやプライベートな話題で
もりあがっていました。


すると,隣の席の人が「…すずめの涙なのよね~。」
と話すのが突然耳に入ってきました。

隣の席は,30代とおぼしき
女性がふたりで話をしていました。

それからしばらく
彼女らの話題が耳にはいってきました。


こういうことってありませんか?
突然,隣の話題が耳に飛び込んでくることって。

われわれのばあい,職業柄,「ベンゴシ」とか
「サイバン」とかいうキーワードに反応してしまいます。

それまでまったく無関係にすごしていたのに
急に,隣席の話題が気になり出します。

いわゆる耳がダンボになる
という状態です。


人間の聴覚というのは
とてもよくできていると思います。

自然の状態であれば
無数の音があふれています。

これを全部,聞いていたのでは
疲れてしまいます。

そこで普段は,われわれ人間が生活するうえで
必要な音だけ選択して聞いているわけです。

その証拠に,普段の生活音をそのまま録音すると
いろいろな雑音がいっぱいで,とても聞きづらい。

それを脳が自動的に取捨選択して
必要な音だけに注意を向けているわけです。


話をもどして,「…すずめの涙なのよね~。」
という言葉になぜ反応してしまったのでしょうか?

すずめの涙は
ものの量がごくすくないことのたとえ。

たとえば,こんどの賞与,でるのはでたけれど
すずめの涙なのよね~という具合につかいます。

これって,もちろん
このつかいかたで間違いはないんです。

けれども,なにか違和感をかんじたんですよ。
みなさんはどうですか?


おもうに,「…すずめの涙なのよね~。」という表現は
もうかなり死語になりつつあるのではないでしょうか。

もうなんか何十年ぶりかに
聞いた気がします。

むかしはもっと
ひんぱんに使われていました。


じゃ,なんに置きかわったかというと
「すごく」とか,「ちょ~(超)」でしょうか。

「すごく少ないんよ。」とか,「ちょ~すくな。」
みたいな。


おそらく頭が一瞬のあいだに,こう判断し
隣席の話題に注意を向かせたんだと思います。


「ちょ~すくな。」というより
「すずめの涙なのよね~。」というほうがいい感じです。

どこにいっちゃったんでしょうね?
すずめの涙。

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