2011年7月20日水曜日

 ライチョウの親子



 山を登っていると、知らない者どうしながら
 挨拶をしたり、情報交換したりします。

 山の上の天候・視界、登山道の様子、山小屋の混み具合
 などなど。

 こんかい、よく耳にしたのは
 コマクサの咲いている場所とライチョウの目撃情報でした。

 どちらも登山者にとっては
 珍しくもあり、吉兆なのでしょう。 

 私自身も冷池山荘から布引山に登る途中の尾根のハイマツ帯で
 他の登山者から教えてもらいました。

 小鳥を2羽ほどしたがえた親子でした。
 保護色のせいか、腕が悪いせいか、分かりにくい写真ですみません。

 もっと近づけばよいのでしょうが
 登山道から外れることは許されていませんので、こんな感じです。

 ライチョウ(雷鳥)の名は
 雷の鳴るような空模様で活発に活動することから。

 雷鳥といえば、テレビドラマの国際救助隊を思い浮かべますが
 あのサンダーバードとは違うのかも。

 キジの仲間で、特別天然記念物。長野県・岐阜県・富山県の県鳥。
 冬でも高山で暮らす日本で唯一の鳥です。

 日本にやってきたのは2万年前の氷河期。
 氷河期が終わり、大半は北へ帰っていきました。

 ごく一部が日本の高山に残りました。
 おおくの高山植物と運命をともにしたわけです。

 ふるくから山岳信仰登拝者に知られ
 神秘性を帯びた「神の使者」とされていました。

 サンダーバードは、カナダ西海岸部やアメリカに先住する
 インディアンの間でも神鳥とされているので、なにか関係があるのかも?

 江戸時代には、火難よけ、雷難よけとして信仰されたらしい。

 温暖化に伴い、ニホンジカやキツネ、ニホンザルが高山帯に勢力拡大
 餌の競合や、キツネに捕食されることにより生息数が減少しているとか。

   しら山の 松の木陰に かくろひて
 
          やすらにすめる らいの鳥かな

                      後白河法皇 

 保元の乱から源平の盛衰する激動のなかを生きた後白河法皇としては
 白山の松陰に隠れて安らかに生活していた雷鳥が羨ましかったのかも。

 その雷鳥も温暖化のなかで、やすらにすめなくなってしまいました。
 なんとかがんばってほしいものです。
 

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