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2023年8月8日火曜日

黒部五郎岳と雲の平へ(5)長大な稜線とピーク

 
(弓折岳、笠ヶ岳)

(双六小屋、むこうに鷲羽岳)

(双六岳の台地、むこうに槍ヶ岳)

(双六分岐から丸山、三俣蓮華岳)

(三俣蓮華岳)

(鷲羽岳、左奥に水晶岳)

 北アルプスの最奥部、黒部五郎岳と雲の平への山旅2日目のつづき。

1日目の宿泊小屋である鏡平山荘から1時間の登りで弓折分岐に着く。ライチョウの母子と出会ったところだ。1枚目の写真の真ん中のピークが弓折岳。その手前が弓折分岐。左斜め下に鏡平山荘がある。

弓折分岐から稜線を歩いて1時間超で双六小屋だ。1枚目の写真、真ん中から右へハイマツが生えていないのが登山道。それを真ん中から右へ歩く。

小ピークを3つほど乗り越すとやがて双六小屋が見えてくる(2枚目の写真)。まるで桃源郷のよう。小屋の向こうに鷲羽岳がそびえている。小屋の右(東)側の斜面を登っていくと、やがて槍ヶ岳に着く(西鎌尾根)。

左(西)側の斜面を登っていくと双六岳だ。1時間の登り。双六岳は円錐形ではなく、台地状になっている。振り返ると、槍ヶ岳へつづく登山道がのびている。まるで滑走路のよう。有名な絶景だ(3枚目の写真)。

山頂からは360度の大展望。東に槍ヶ岳や穂高岳、西に黒部五郎岳や薬師岳、南に笠ヶ岳・焼岳・乗鞍岳・御嶽山、北に三俣蓮華岳・鷲羽岳・水晶岳など。

双六岳からは北に転針する。三俣山荘まで、また1時間超の歩き。途中、丸山と三俣蓮華岳を越えていかなければならない(4枚目の写真)。

三俣蓮華岳は長野県、岐阜県、富山県の3県の県境をなしている。カール地形が美しい。カールは氷河が削った丸い谷である(5枚目の写真)。

三俣蓮華岳を乗り越えると、鷲羽岳が大きく迫る。鷲羽岳の山麓に三俣山荘がある。いくつもの稜線とピークを越えてようやく今日の宿泊地だ。ふう(このあと積乱雲が発達し、2時ころから雷雨となった。)。

2023年8月4日金曜日

黒部五郎岳と雲の平へ(3)高山植物

 




 北アルプス最奥部、黒部五郎岳と雲の平への旅2日目のつづき。

1枚目の写真の一番手前の高まりが弓折岳。その右奥が笠ヶ岳、左奥に焼岳、乗鞍岳、御嶽山が連なる。

写真手前から弓折岳にかけて土が露出しているところが登山道。弓折岳の直下のところが、弓折分岐。きのうライチョウ母子で出会ったところと紹介した場所である。

このあたりになると、もはや森林限界を超えている。シラビソなどの針葉樹林であっても生育できない。

目にみえる緑は、ハイマツ(這松)である。文字どおり、空にむかって幹を伸ばすのではなく、地面を這っている。低温、豪雪、強風など自然環境の厳しさから高い木は生育できないのである。

森林限界を超えたところで、ハイマツさえ生えていない場所がある。ひとつは、自然に崖崩れが起きたような場所。ひとつは、人が通ることによりハゲた場所。ひとつは、遅くまで雪渓が残り、ハイマツでさえ生育できない場所など。

このようなハイマツさえ生育できない場所に高山植物が生き延びている。短い夏の間に次世代へ命をつないでいる。平地のに比べ、一般に花が大きく、いっそう可憐にみえる。

ピンクの花はシモツケソウ。日本の固有種。バラの仲間。

白い花はキヌガサソウ(衣笠草)。これも日本の固有種。

暗い紫はクロユリ。川端康成の『山の音』に出てくるらしい。

2023年8月3日木曜日

黒部五郎岳と雲の平へ(2)ライチョウ

 





 北アルプスの最奥部、黒部五郎岳と雲の平への旅の2日目。快晴の朝6時、鏡平山荘を出発。

弓折尾根を約1時間かけて登る。笠ヶ岳方面へ行く道と双六岳方面へ行く道の分岐に着く。弓折分岐である。

ライチョウがいた!若いメス。くーくーと鳴いている。この季節、子育て中のはずだが、まだ若いため子どもはいないのだろうか。

観察し、撮影することしばし。すると、草むらから子どもたちの姿が。3羽いる。母鳥が様子をみて安全を確かめてでてきたようだ。

ライチョウのこのようなフレンドリーな対応は日本特有のものだ。諸外国の研究者が日本を訪れて、みな驚くという。

イギリスの小説などを読んでいると、ライチョウはハンティングや食料の対象だ。そりゃ、人間をみれば逃げ出すに決まっている。

これに対し、日本では古来、神の使いとして保護されてきた。現代でも特別天然記念物として保護されている。千年におよぶつきあいだ。日本のライチョウが人を恐れないのは、そのせいだ。

4泊5日のこの旅で、ライチョウ親子たち5家族で出会うことができた。どの家族もみな、フレンドリーだった。

しかしこのようなおっとりした性格ゆえか、気候変動の影響か、ライチョウの数は激減している。絶滅危惧種である。孫たちにも、ぜひライチョウをみせてあげたい。

外人さんたちのように、ハンティングの対象として食べたりはしないが、おみやげは「雷鳥の里」だ。これは食べてもよいだろう。

2018年5月28日月曜日

残雪の北アルプス(3)


(焼岳を背に下堀沢上部,右側が南峰の雪壁,むこうは乗鞍岳)

 焼岳は,北アルプス南部に位置しています。北アルプスの南端は乗鞍岳で,その北側,つまり南から2番目の山です。焼岳の北側には穂高連峰や上高地があります。

 焼岳登山は2回目。日本百名山の1つです。百名山に挑戦したときは,上高地側から登りました。

 雪山登山としては,この新中ノ湯コースが推奨されています。このコースは,下堀沢上部が,南峰からの雪崩のおそれを指摘されていますが,冬期は上高地側より登りやすいのでしょう。

 下堀沢との出会いふきんまでは樹林帯のなかを登ります。踏み跡が複数あって迷いますが,基本,尾根伝いに登るのでコースを大きく外れることはありません。

 下堀沢に入ると,ボール状の地形になり,たしかに南峰の雪壁は状況によっては雪崩そう。これを左側から回り込むようにしてトラバースしていきます。

 ツボ足(アイゼンなどをつけない状態),ストック(ピッケルではなく,夏山にも使うポールストック)でも登れそうでしたが,上部は斜度が増してきたので,念のため,アイゼンとピッケルに装備を変えました。

 南峰は崩落がすすみ,夏山は登山禁止とされています(雪山ならば登れるらしい。)。斜度の増す雪面を登り詰めます。南峰と北峰の分岐あたりは,活火山らしく,硫黄の臭いがし,水蒸気が出ていました。
 
 そこからは北峰を右側から回り込むようにして頂上に達します。山頂部は融雪が進み,雪と地面がまだらになっています。

 山頂に立つと穂高連峰,上高地,笠ヶ岳,槍ヶ岳,黒部源流の山々があらわれました。すばらしい景観。ただし,春山のせいか,すこし霞んでいるのが残念。
 
 先行者は誰もおらず,この日,入り番乗りで,絶景をひとり占めでした。しばらくすると,写真家のかたがあがってこられ,いろいろと教えていただきました。

 風景をしばらく楽しんだあと,下山開始。ぞくぞくと後続の方々が雪面をあがってきます。日差しがつよくなり,日焼けしそう。汗もにじみます。

 融雪がうまいぐあいにすすんだころあいで,ザクザクと軽快に下山をすることができました。(つづく)

2011年10月13日木曜日

 山の夜は眠れない



 まえに笠ヶ岳山荘の夜を書いたところ、女性読者から強い反応があったので
 今回も五竜山荘の夜の実態をなまなましくレポートしたいと思います。

 私が振り当てられた部屋は「イワカガミ」という部屋の下段
 高山植物の名前もかわいい部屋ですが、花の愛らしさとは縁遠い雰囲気。

 写真の右隅のほうに寝台列車の階段みたいなのが写っていますが
 上段の人はこれで上に行きます。

 ご覧のとおり足の踏み場もないほどびっしりと
 布団が敷き詰められています。

 それでもこの下段に敷ける敷き布団は全部で7枚
 この日はこの下段に10人が泊まることに。

 笠ヶ岳山荘のように2人で布団1枚という混雑ではなかったものの
 3人で布団2枚という混み具合。

 何人かが布団と布団の境界に寝なければならないのですが
 この日、私はそこで寝ることになりました。

 それでも2人で布団1枚の前回よりマシだと
 ポジティブにシンキングすることにしました。

 食事は17時からで17時30分には終了します。
 それからが長い…。

 山小屋で男どもはすることがありません。
 テレビもないし、本を読むには暗すぎる。

 小屋によってはテレビルームみたいなのがあるのですが
 笠ヶ岳も五竜山荘もありません。

 この点、女性はおしゃべりができるのでうらやましい。
 女性部屋からは「アラ還」のおばちゃんたちの声がかまびすしい。

 男性もあいさつはかわすし、適当に情報交換などもするのですが
 女性のノリで数時間もおしゃべりは続きません。

 消灯は21時なのですが
 やることないので早寝を決め込む人がおおい。

 これがまた苦渋の選択。18時ころ寝てしまうと夜半に
 目が覚めてしまい、その後がながい。

 どうしようかなぁと思ってうつらうつらしていると
 両隣の男性は眠ってしまいました。

 幸い、後ろの男性がナマあたたかい息を
 吹きかけてくることはありませんでした。

 やったー!
 今夜は眠れそう。

 と思いきや
 左隣の男性がブーッとおおきなのを1発。

 うわーっと思ってしばらくすると
 今度は右隣の人がブッ・ブッ・ブッと連射。

 しばらくするとまた左隣がブオーッツ。
 すると右隣が…

 かくて今夜も眠れそうにありません。
 
 (この夜も操はまもられました。
  念のため。)
 

2011年9月26日月曜日

 山小屋の恐怖の一夜



 朝方、めっきり冷え込んできました。
 クールビズ期間ながら、上着なしでは寒いくらい。

 さて連休後半、みなさまはいかが過ごされたでしょうか?
 ほんとうによい天気でしたね。

 今年は週末ごとに台風や大雨が襲来し
 旅行や登山などの業界はさんざんだったようです。

 われわれ旅行や登山する側も
 さんざんでした。

 その反動か
 連休後半はまちにまった人たちがどっと繰り出しました。

 私が24日(土)に泊まった笠ヶ岳山荘も
 定員の2倍という大混雑。

 平地の旅館などは予約なしのふりの客は泊めませんが
 山小屋のばあい、そうすると遭難してしまうのでできません。

 ほとんどの山小屋では予約なしの宿泊者が何割か占めます。
 この連休中は予約客に倍する人数が泊まったとか。

 最近の山小屋はどこも改築され
 食事はおいしいし、トイレ事情も改善されてきています。

 でもやはり定員に倍する客がつめかけたのでは
 宿泊事情は悲惨というほかありません。

 8畳の部屋に1畳の広さ(狭さ?)の布団を8つ
 文字どおり足の踏み場もないほど敷き詰めます。

 そして1枚の布団に大人の男性が
 2名ずつ、1部屋に16人が寝ることになります。

 1畳の布団に大人の男性2人の肩幅は入りませんから
 どうしてもあお向けには寝ることができません。

 右わきか左わきを下にして
 横向きに寝るほかありません。

 この場合、みなが右を下にして寝ないと
 隣の男性と夜中に接吻することになりかねません。

 奴隷船の船倉もかくやという状態で
 寝返りもうてません。

 私も最近は精神修養がすすんで
 他人のイビキや歯ぎしりは気にならなくなりました。

 しかし、後ろの男性の吐きかける生あたたかい息には
 さすがに閉口。

 また時折、素足がねっとりからんできて
 これもまたぞっとします。

 かろうじて操はまもられたものの
 ほとんど眠ることができませんでした。
 
 なぜ、これほどの思いをしてまで山に登るのでしょう?
 答えは写真をぞうぞ(夕日に映える槍岳)。