2018年5月28日月曜日

残雪の北アルプス(3)


(焼岳を背に下堀沢上部,右側が南峰の雪壁,むこうは乗鞍岳)

 焼岳は,北アルプス南部に位置しています。北アルプスの南端は乗鞍岳で,その北側,つまり南から2番目の山です。焼岳の北側には穂高連峰や上高地があります。

 焼岳登山は2回目。日本百名山の1つです。百名山に挑戦したときは,上高地側から登りました。

 雪山登山としては,この新中ノ湯コースが推奨されています。このコースは,下堀沢上部が,南峰からの雪崩のおそれを指摘されていますが,冬期は上高地側より登りやすいのでしょう。

 下堀沢との出会いふきんまでは樹林帯のなかを登ります。踏み跡が複数あって迷いますが,基本,尾根伝いに登るのでコースを大きく外れることはありません。

 下堀沢に入ると,ボール状の地形になり,たしかに南峰の雪壁は状況によっては雪崩そう。これを左側から回り込むようにしてトラバースしていきます。

 ツボ足(アイゼンなどをつけない状態),ストック(ピッケルではなく,夏山にも使うポールストック)でも登れそうでしたが,上部は斜度が増してきたので,念のため,アイゼンとピッケルに装備を変えました。

 南峰は崩落がすすみ,夏山は登山禁止とされています(雪山ならば登れるらしい。)。斜度の増す雪面を登り詰めます。南峰と北峰の分岐あたりは,活火山らしく,硫黄の臭いがし,水蒸気が出ていました。
 
 そこからは北峰を右側から回り込むようにして頂上に達します。山頂部は融雪が進み,雪と地面がまだらになっています。

 山頂に立つと穂高連峰,上高地,笠ヶ岳,槍ヶ岳,黒部源流の山々があらわれました。すばらしい景観。ただし,春山のせいか,すこし霞んでいるのが残念。
 
 先行者は誰もおらず,この日,入り番乗りで,絶景をひとり占めでした。しばらくすると,写真家のかたがあがってこられ,いろいろと教えていただきました。

 風景をしばらく楽しんだあと,下山開始。ぞくぞくと後続の方々が雪面をあがってきます。日差しがつよくなり,日焼けしそう。汗もにじみます。

 融雪がうまいぐあいにすすんだころあいで,ザクザクと軽快に下山をすることができました。(つづく)

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