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2022年2月18日金曜日

ある取材


  ご無沙汰しています。先週末から白銀の東北4峰(蔵王、西吾妻、磐梯、安達太良)に登り、きのうはむかし解決したある事件のことで取材を受けました。その事件の記録を読み直して記憶も喚起しなければならず、ブログまで手がまわりませんでした。ソーリー。

取材の様子は写真のとおり。もう一人はリモート参加です。仕事がら取材をすることは多いけれども、取材される側にまわることはめったにありません。大きな事件でマスコミの取材を受けるぐらいです。きのうのは少し毛色が変わっていて、新鮮な体験でした。

取材の結果はある作品になるそうです。以上。

ここまでは言ってよいけれども、これから先は言ってはならないと言われています。言ったら組織に殺されます。うそ(笑)。

作品になるのはまだだいぶ先のようです。でも楽しみ。

作品になったら、また報告します。

2012年12月27日木曜日

新人弁護士日記(1)~「ユヌス・ソーシャル・ビジネスの7原則」





 
 
新人弁護士のMです。
今週から当事務所でお世話になってます。

まだ右も左も分かりません
やっていけるかどうか不安で心配。

でも
なんとかがんばります。

みなさんも
応援してくださいね。


きのうは朝1で,専務さんたちが
会社設立のご報告に来られました。

当事務所が
設立のお手伝いをしたもよう。

その会社は
いままでの会社とはちょっとちがうようです。

いままでの会社は
営利を目的としていました。

でもその会社は
そうではないというのです。


「ユヌス・ソーシャル・ビジネスの7原則」
とかに基づいているらしい。

「ユヌス」というのは
ノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス博士のこと。

「ソーシャル・ビジネス」というのは
社会問題の解決を目的として収益事業に取り組む事業体のこと。

7原則というのは
ユヌス氏が提唱する新しいビジネスの理念・準則。

1.ユヌス・ソーシャル・ビジネスの目的は
利益の最大化ではない。

人々や社会を脅かす貧困,教育,健康,技術,環境
これら問題を解決すること。

2.財務的、経済的な持続可能性を
実現する。

3.投資家は、投資額を回収します。
しかし、それを上回る配当は還元されない。
4.投資の回収以降に生じた利益は
本理念の普及とより良い実施のために使われる。

5.環境へ配慮する。
6.雇用者は、より良い労働条件で給料を得ることが出来る。

7.楽しみながら。
以上の7原則。


へ~
新鮮。

マスコミも注目しているらしい。
先輩弁護士もうれしそうだ。


でも法的な枠組みだけで
すべてが解決するわけではないはずだ。

やはり
最後はそれを動かす人だろう。

ともあれ
何かの縁かも。

今後,ユヌスさんの理念が
日本でも普及していくといいな。

自分も,お手伝いができるといいな。
楽しみながら。

2011年12月16日金曜日

『クライマーズ・ハイ』(3) by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 弁護士になりたてのころ
 こんな事件がありました。

 ある男性(夫)からの依頼。妻が警察官と不倫したので
 慰謝料を請求したいとのことでした。

 相手が相手なので
 妻の証言だけでは弱い。

 証言の裏をできるだけ
 とることにしました。

 いっしょに入ったという
 ラブホテルにも行きました。

 保安上ラブホテルは自動車のナンバーを控えているので
 当日、証言どおりの自動車が出入りした裏付けが得られました。

 家出中の妻の仕事先をその警察官が紹介していたので
 そこへも行きました。

 中洲・南新地のソープで
 ま昼間から調査に行くのはちょっと気がひけましたが。

 当時は、キャナルシティ(96年オープン)が建つ前ですから
 いまよりずっと入りにくい雰囲気でした。

 かくして証拠を固めたうえ交渉しましたが
 ラチがあきません。

 そこで提訴しました。
 予想されたことですが、被告側は頑強に否認。

 それでも証人尋問が終わったところで
 裁判官が被告側に和解を勧告しました。

 「妻をソープ(受付ですが)に紹介していて
 男女関係が無かったという心証はとれない」と。

 その結果、被告側も観念して
 慰謝料を支払う話となりました。

 被告が金策をするのを待つあいだ
 もう一期日が必要になりました。

 その間、どこからか事件のことを聞きつけて
 ある記者くんが取材にきました。

 「慰謝料を払う以上、不倫を認めたことになりますよね?」
 「ま、普通そうでしょう。」

 ところがその後、記者くんは被告側の弁護士からも
 アホなことに、コメントをとろうとしたらしい…。

 しばらくして裁判所から、和解条項に「和解成立後、事件のことを
 口外しない」という1項を入れたいと連絡がありました。

 被告側の弁護士が裁判官に泣きついてきたそうな。
 ま、普通そうなりますよね。

 依頼人の意向を尊重して
 不本意ながら和解を成立させました。

 和解後、記者くんから和解内容の確認を求められましたが
 「ノー・コメント」。

 その対応えに、記者くんはプリプリしてましたが
 「お門違いでしょう。」といいたい気持ちでした。

 マスコミとのお付きあいの難しさを学んだ
 最初の経験でした。

 (注:相手方のコメントをとるなといっているのではなく
 時期が悪いといっていだけなので、念のため)

                ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2011年12月15日木曜日

『クライマーズ・ハイ』(2)



 マスコミと弁護士の関係はいろいろですが
 大規模集団訴訟においてはおおむね応援してもらう関係です。

 水俣病第3次訴訟のあと
 南九州税理士会違法献金事件

 薬害エイズ事件・福岡訴訟
 ハンセン病訴訟

 薬害肝炎訴訟
 と応援してもらいました。

 あまり詳しいことは書けませんが
 マスコミと弁護士は情報を介してギブ・アンド・テイクの関係。

 裁判や運動の情況を会見やレクを通じて
 報道してもらう関係にとどまりません。

 弁護団がもっている情報を提供しつつ
 マスコミが知っている情報を教えてもらったりします。

 水俣病第3次訴訟のころ
 相手方は「国」でした。

 その後、「国」のなかもいろいろで
 行政と立法は意外と別で
 
 行政も厚生労働省、法務省
 政府・官邸筋などに分かれ

 厚生労働省も大臣と官僚、官僚も部署によって
 それぞれ考え方が違うことが分かります。

 そんなこと政治学の教科書に書いてあるでしょ!
 ということですが

 実際に裁判をやっていると
 被告は「国」だと抽象的にとらえがち。

 現場の訟務の人たちと話していると
 法務省は薬害肝炎の解決に消極的なように思えます。

 でも幹部やバックヤードでは
 意外と患者側を支持してくれたりもするのです。

 「国」の内部の支持、不支持の色分けや
 力学はマスコミのほうが断然詳しかったりします。

 大規模集団訴訟では、このような情報を入手しつつ
 運動をすすめていく必要があります。

 ただ魚心あれば水心
 マスコミ側ももちろん記事になるネタを知りたいし書きたい。

 彼らの主な行動基準は
 2つ。

 ①取りこぼし(自社だけ報じない)は困る。
 ②スクープしたい。でも、抜かれるのはイヤ。

 これが、おつきあいするうえで困った点。
 クローズを前提にしたお話が記事になったりするので。

 これを避けるためには、信頼関係が必要
 誰とでもおつきあいするわけにはいかなくなります。
  
 (つづく)

2011年12月14日水曜日

『クライマーズ・ハイ』



 これまで当ブログを読んだといってこられたのは
 お客さまか知人、友人のかたがた。

 それが先日らい、Y新聞の記者さんから
 ブログのことでご連絡をもらいました。

 ブログ中のある事件のことで
 取材をしたいとのことでした。

 依頼者に連絡したところ、お断りとのことでしたので
 残念ながら記事にはなりませんでした。

 とはいえ、さすが社会面に強いY新聞
 当ブログまでのぞいていただき、恐縮です。

 (N新聞の人はここでは
 知人・友人に入れさせてもらいます。)

 弁護士をしていると
 マスコミの方々とのおつきあいもいろいろでてきます。

 大は集団訴訟から
 小は交通事故など一般事件まで。

 さいきんでは子どもの友人が記者になったので
 法律用語について確認の問合せをうけたりもしています。

 86年に弁護士になってから96年の政治解決まで
 水俣病第3次訴訟をお手伝いしたことがありました。

 水俣病という未曾有な被害に対するものだけに
 裁判闘争にもながい歴史があります。

 西日本新聞の聞き書きシリーズ(社説のページ)が
 いま、おもしろいです。

 語り手は、私の師匠筋にあたる馬奈木昭雄弁護士
 聞き手は、阪口由美記者。

 タイトルは「たたかい続けるということ」
 このところ、ちょうど水俣病の裁判闘争あたりです。

 馬奈木弁護士がいま語っている、チッソという加害企業だけを
 被告とする訴訟が第1次訴訟です。

 時代は、高度経済成長の光と影があらわとなった70年代
 いわゆる四大公害裁判がたたかわれたころです。

 この訴訟に被害者側が勝利して
 企業との間で補償協定が結ばれます。

 これに基づき
 行政(熊本県)が水俣病患者を認定する制度ができます。

 ところが行政は狭い病像論に基づき
 多数の患者を切り捨てていきます。

 司法認定と行政認定は違う
 と、行政はうそぶいたのです。

 その病像論と切り捨て路線を争ったのが
 水俣病第2次訴訟です。
 
 (ちなみに、薬害肝炎訴訟の解決枠組みとしては
 被害者を司法認定する制度となっています。

 たかく評価されているところですが
 水俣病のたたかいの教訓に学んだものです。)

 第2次訴訟も被害者側が勝利しますが、その後も
 行政認定と司法認定は違うとされ、被害者は放置されたまま。

 これではいつまでたっても被害者全員の救済がはかられないとして
 国と熊本県をも被告として提訴したのが第3次訴訟でした。

 漁業を中心とする地域全体が壊滅的打撃を受け
 被害者らは全国に散っていました。

 そのため、熊本地裁、福岡高裁だけでなく、被害者が移住した先の
 東京地裁、京都地裁、大阪地裁、福岡地裁でも裁判が係属。

 こうした複雑な構図を反映して
 政治解決を前にした新聞の論調もさまざまでした。

 一般の人はだいたい一紙しか読んでいないので
 どの新聞も同じことを書いていると思っています。

 でも実際はスタンスの違いによって
 ニュースソースの違いによって、紙面が違います。

 国との間で太いパイプを持つ
 ある全国紙は一面トップで国の解決案をリークしたりします。

 地元紙は県庁とのパイプが太く
 県庁の意向を反映した記事になっています。

 もちろん患者・被害者の立場にたって
 報道してくれるマスコミもいます。

 毎日のように開かれた弁護団会議では
 まず新聞各紙を前に情勢討議をやりました。

 国がこのような情報をリークした裏には
 ○○の意図があるはずだ!いや、そうじゃない!…と。
 
 (つづく)