2025年8月5日火曜日

大雪山~トムラウシ山縦走(13)ヒサゴ沼~化雲岳

 

 3日目の朝。日の出である。

 結局、トムラウシ山には登らないで、天人峡温泉へエスケープすることに決めた。一つは体調不良で、昨日の脱水症状が尾をひいていた。もう一つは天候不良で、昼から大雨の予報であった。

 天人峡温泉へエスケープといっても7時間のコースである。トムラウシ山コースは8時間であるから1時間短いだけである。天人峡温泉コースは登山道が分かりにくく初心者には不適であるところ、トムラウシ山コースはこれまで3度歩いた経験があるので道はよく知っていた。

 悩んだが、天人峡温泉コースを選択した。一つは、その日小屋に泊まった12人のうち11人がこのコースだったので、道迷いの点はなんとかなると考えた。もう一つは、昼からの大雨である。午前5時に出発して7時間であればギリギリ間に合うかもしれない。8時間だと到着予定は午後になり、その1時間が生死を分けるかもしれないから。


 さて、出発。トムラウシ山コースは正面右手の雪渓を登るのだが、天人峡温泉コースはこのすぐ右手の雪渓を登っていくことになる。


 天人峡温泉コースは基本的には下りである。が最初、化雲岳までは登らなければならない。

 雪渓にたたずむのは、じぃさんである。ヒサゴ沼の美しさに名残がつきないようだ。


 だいぶ登ってきた。じぃさんはまだ名残を惜しんでいる(雪渓のやや右手)。


 雪渓のいちばん上にポコリと岩が見えている。あれが目印だ。晴れているからよいようなものの、ガスっていれば向かうべき方向も判然としない。きょうは昼から大雨予報だったので朝からガスっているかと思ったが、いまのところまだよい天気だ。


 さらに登った。前山の奥にトムラウシ山が見えてきた。ヒサゴ沼ともお別れだ。


 雪渓が切れると登山道は木道に。両側は高山植物のお花畑がつづいている。


 エゾウサギだ。しきりと高山植物を食んでいる。


 さらに木道とお花畑。


 おや、向こうにエゾウサギがまた2匹。仲よく遊んでいる。


 左手上部、なだらかな頂きにポツンと見えている岩が化雲岳山頂である。小屋2階に泊まっていた青年が軽快に追い抜いていった。


 写真では分かりにくいが、あたりいちめん花畑である。


 振り返るとトムラウシ山。こんかいは登れなくて残念。


 ようやく化雲岳山頂(1945.5m)。緑の線の向こう側は切れ落ちている。その奥の山並みは大雪山系の旭岳から白雲岳。きのうは、このお鉢の縁の右手をぐるりと登ってきた。きょうは、左手の縁をくだっていくことになる(第二公園、第一公園をへて御やど しきしま荘まで)。さてどうなりますことやら。


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